外部要因の好材料に反応しきれず、持高調整の売りが続き上値が重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年07月10日 16時06分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場は底堅く、為替も円高ながら落ち着いて、商品市況も底堅いということから買い先行となりましたが、オプションSQ(特別清算指数)算出に絡む売り買いが一巡した後は上値の重い展開となりました。上値の重さが確認されると持高調整や週末の手仕舞い売り、ヘッジ売りもかさみ軟調となりました。最後は手仕舞い売りにヘッジ売りもかさみ軟調、8日続落となり、先物も安値引けとなりました。

 ここまで売り急がなければならない状況ではなさそうなのですが、何とも買い気の乏しい展開となっています。ちょうど今年の3月の安値をつけたときのように「何で売られているのか」よくわからないままずるずると指数が下落するといった感じです。為替は円高になってはいるのですが、特に売り急がなければならないような材料もなさそうですが、買い材料にはほとんど反応がありません。

 下落要因は「先が見えない」と言うことが一番大きいのではないかと思います。足元の業績は回復しているものが多く、所謂「勝ち組」と言われる企業は順調に売り上げを伸ばし、経済指標も世界的に見て底入れ感も強いにもかかわらず、必至になって売っているような感じです。市況の解説も特に材料がないものだから、何だかんだと理由をつけていますが、「何らかの事情」でまとまった売りが出ているという需給要因だけということなのでしょう。

 ヘッジファンドの規制や米長期金利の上昇=国債価格の下落なども持ち高を減らす要因となって、日本株の持高も減らしているのかもしれません。円高だから、米国景気の回復が遅れているから、売られるという理由をつける向きもありますが、そうであるのならば自動車株はもっと売られるのではないかと思います。もちろん後になってからではわからないのでしょうが、「もうはまだなり、まだはもうなり」というように、そろそろ売りが止まれば3月から4月のような相場となる可能性もあるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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