米国市場は底堅さも見られたのだが大幅円高を嫌気して軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年07月09日 16時00分 公開
[清水洋介,]

市況概況

日経平均 9291.06円 ▼129.69円
売買高 20億8017万株
日経平均先物 9310円 ▼100円
売買代金 1兆3761億円
TOPIX 873.91 ▼14.63
値上がり銘柄 293銘柄
東証マザーズ指数 445.03 ▼18.16
値下がり銘柄 1318銘柄
日経ジャスダック平均 1194.99円 ▼8.53円
変わらず 86銘柄
騰落レシオ 96.19% ▼5.41%

日経平均

米国市場は底堅さも見られたのだが大幅円高を嫌気して軟調

 米国市場は底堅さも見られたのですが、為替が大きく円高に振れたことから売り先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が大幅売り越しと伝えられたこともあって大幅下落で始まったあとも戻りは鈍く、戻りの鈍さを確認して売り直されるという展開となりましたが、節目と見られる9300円を意識したところでは底堅く、底堅さが確認されると買戻しや値ごろ感からの買いもあり、下げ幅縮小となりました。

 後場に入ると円安方向に戻っていた為替も再び円高に振れたことなどから売り先行となりました。戻りの鈍さを確認するかのように先物に散発的にまとまった売りがあり、その度に指数を押し下げるような動きとなり、瞬間的に節目と見られる9300円を割り込む場面もありました。ただ、持高調整の売りも引き続き出ているものの、9300円を下回る水準までむきになって売り叩くような動きはなく、戻りも鈍いながら底堅い小動きの展開となりました。最後は目先筋の買戻しも入り下げ幅縮小となりましたが、戻り切らず7日連続下落となりました。

 小型銘柄も息切れとなるものが多く、東証マザーズ指数は大幅下落、二部株指数や日経ジャスダック平均も軟調となりました。先物は昨日と同様に朝方から時間を置いて散発的にまとまった売りが出て、指数を押し下げる要因となっていました。機械的に売り叩くというような展開でしたが目先筋の買戻しもあり、また、明日のオプションSQを睨んだヘッジの売り買いもあり、方向感のない展開でした。

 昨日までと同様に何度も売り直されるような動きで最後まで売りが止まりません。目先筋の買戻しも見られるのですがそれ以上に見切り売り、手仕舞い売りがかさむという状況です。売らなければならない理由があるとかないということではなく売られるから売る、買われないから売る、と言うような状況です。特に材料があるわけでもないなかで次々と節目を割り込むという状況は今年2月、3月の相場と同じ状況であり、持高調整の売りが終わるまで下値を試すことになるのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 雲にサポートされて下げ止まりました。雲にサポートされながらここからの反発が期待されますが、ストキャスティックスは底値圏になったもののRSIはまだ下落よりもあり、雲の中での動きになってしまうのか、雲にサポートされて反発となるのか明日の動きで底入れとなったかどうかが決まりそうです。

TOPIX

NYダウ

 雲の中に突っ込んでしまいました。日経平均よりも弱い格好で今度は雲の中で、雲の下限を試す動きになってしまうのかもしれません。ストキャスティックスは底値圏にあり、まだ雲の上限に沿っての動きも期待されますが、RSIは下落余地もあって、雲の下限まで下落しないと下げ止まらないということにもなりかねない状況です。

円相場

NYダウ

 節目を大きく割り込んでしまったことから、下値を探る展開となりそうです。ストキャスティックスは底値圏にあり、RSIも低い水準ではあるのですが、下落余地もあって、次の節目と考えられる90円どころを試す場面もあるのかもしれません。すぐに94円台に戻るようであれば「誤差の範囲」となるのでしょうが、まだ信用収縮の動きが続くのかどうかということにかかっているのでしょう。

銘柄ピックアップ

ディフェンシブ銘柄も見切り売りに押される

住友鉱(5713) 1247 ▼1

 アラスカの金鉱山の権益を取得したことを好感、海外商品市況などが軟調な展開となっていることからここのところ売られており、値ごろ感からの買戻しもあって堅調となりました。

三菱自(7211) 162 △1

 仏大手自動車会社と家庭用電源で充電できる新型ハイブリッド車の開発で提携すると新聞で報じられ、大きく円高に振れ、手詰まり感が強い相場のなかで目先筋の買いも入り堅調となりました。

ディスコ(6146) 3870 ▼110

 4−6月期の連結営業損益が引き続き赤字となったものの、1−3月期に比べ赤字幅が半減したと新聞で報じられましたが、企業の設備投資抑制の動きの中で今後の持続的な改善を示すものではないとして材料視されず、軟調となりました。

信越化(4063) 4300 ▼50

 主力のウェハーは数量は回復したものの価格の下落で想定通りの利益とはならず、塩ビなども依然厳しい状況にあるとして、外資系証券が買い推奨リストから除外、投資判断を引き下げたことから軟調となりました。

ユニチャーム(8113) 7470 △180

 中国やインドネシアで市場認知の段階からマス市場開拓にステップアップしたとして規模の拡大が成長を加速するとして国内大手証券が投資判断を引き上げたことから買いが入り、堅調となりました。

GSユアサ(6674) 807 △5

 市場全体に手詰まり感が出る中、材料含みの銘柄を探す動きのなかで目先筋の買いが集まり堅調な展開となりました。環境関連銘柄の本命として割高感があるにもかかわらず、手詰まり感が強いときには見直されるようです。

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