コラム
» 2009年07月09日 07時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:キャラ弁は世界の“OBENTO”へ――達人、小川真樹さんに聞いた (1/3)

アニメなどのキャラクターを食材で表現した“キャラ弁”。キャラ弁作りの達人、小川真樹さんは「キャラ弁のおかげで長男が幼稚園になじめるようになった」という。彼女はキャラ弁にどんなこだわりを持っているのだろうか。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の企画・開発・実行、海外駐在を経て、1999年より2008年9月までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略、業務プロセス改革など多数のプロジェクトに参画。 2008年10月1日より独立。コンサルタント、エッセイストの顔に加えて、クリエイター作品販売「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『ナレッジ・ダイナミクス』(工業調査会)、『21世紀の医療経営』(薬事日報社)、『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など。2009年5月より印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載。中小企業診断士。ブログ→「マーケティング・ブレイン


 あなたはお弁当にどんな思い出がありますか?

 私は“隠して食べた思い出”がある。高校に入学して給食がなくなった。お弁当を持参するか、校内の売店で買うか、登校前に購入するか、そのいずれかになった。お金もかからないお弁当がありがたかった。しかし、1つ問題があった。

 母のお弁当はおかずが少ないのだ。

 一番ひどかったのはお弁当箱の半分にご飯がど〜ん、もう半分に生姜焼きがど〜ん、それだけみたいなヤツだ(笑)。フタを開けて、「こりゃヤバい!」といったん閉じる。恐る恐るフタを前に立てかけて、そそくさと食べ出す。早食いして教室の外のバルコニーに出て、青春という苦々しさを一身に背負ったように、ランボーや中原中也の文庫本を読むふりをする。それでいて心の内は「もっとおかずの多い、フツーのお弁当がほしい」と苦りきっていた。

キャラ弁のきっかけ

 だから私は昨今の「キャラ弁」ブームを、深層心理でのコンプレックスの裏返しからか、羨望のまなざしで見ていた。キャラ弁といっても、知らない方も多いだろう。「キャラクター弁当」の略称で、アニメなどのキャラクターを食材で表現した弁当のことだ。

 そして今回、ついにキャラ弁の達人にインタビューする機会を得た。達人の名は小川真樹さん、「お弁当デザイナー/obento designer」の肩書きを持つ、2児の主婦。彼女のキャラ弁は世界に広がっているのだ。

ah_IMGP9444S.jpgah_IMGP9197S.jpg 小川さんのキャラ弁。熊さんのいなり寿司弁当/Inari-sushi Bear(左)、ひよこさん弁当/Chicks bento(右)

ah_camping11part.jpg 小川真樹さん

 キャラ弁を作り始めたきっかけを尋ねると、「長男が幼稚園になじめなかったんです。内気な子どもで、登園しても先生の側で泣いていたり、お友だちの中に溶け込めなくて」と小川さん。

 長男のカイ君は甘えん坊なのか、「ボク、お母さんだけいればいい!」と言って幼稚園では心を開かない。みんなが「遊ぼ〜」と言ってくれるのに輪に入れない。

 そこで母は週2回のお弁当の日に、キャラクター弁当を作った。最初のキャラ弁は“アンパンマン”。ケチャップご飯にゆでたニンジン3つで鼻とほっぺ、海苔で目や口を描いた。カイ君は「お母さん、ありがとう!」と大喜びで登園。お昼になってカイ君がお弁当箱を開けると、友だちが「見せて! 見せて!」とたくさんやってきた。カイ君は一躍話題の中心。これがきっかけになって、お友だちと付き合えるようになって母はホッとした。

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