米国株安、信用収縮懸念に加え、機械受注が予想を下回り大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年07月08日 16時09分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 依然として信用収縮の動きは続き節目と見られる日経平均の9500円水準をあっさりと割り込んでしまいました。一向に、信用収縮が止まる気配もなく、株価も為替も下げ止まり感が出てきません。ちょうど1月高値をつけた後の3月安値をつける過程に似ているとと言えば似ていますが、空売りが当時ほど積み上がっておらず、ここで急反発とならないと調整が長引きそうです。

 機械受注が予想を下回ったと言うことを嫌気する動きもあるのでしょうが、それにしても下げ止まりが見られないのが非常にいやな感じです。日米株価そして米CRB指数(商品の動向を示す指数)も調整気分が強まり、下支え要因も見当たらない感じです。オプションSQに絡んで何らかの動きが出るのかどうか、あるいは2月から3月のような動きになってくるのかどうか、大いに注目されるところです。

 ここのところの下落も「信用収縮」あるいは「リスク資産の縮小」ということで説明がつきそうですが、サブプライム以降の下落のスパイラルとまた同じパターンでの下落となっているようです。遠因としてはヘッジファンドなどの規制強化や長期金利の上昇、そしてなりよりも景気回復に先んじて上昇した商品市況などの動きに景気回復がついてこなかったことの調整と言えるものと思います。

 ここから始まる日米の決算動向で業績底入れ感から回復の兆しが見えれば相場も戻り歩調となるのでしょうが、肥大した世界の投機市場に流入する資金の絶対量が減少しているとすると市況の回復はおぼつかなくなるのでしょう。ただ、新興国の人口増と経済の拡大を考えると商品市況が右上がりであると考えられ、行き過ぎた分の調整はあるのでしょうが、資金の枯渇と言う事態、減少と言う事態は免れるのではないかと思います。つまり、商品市況=実体経済=実需の部分から市況は回復してくるものと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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