米国株安、信用収縮懸念に加え、機械受注が予想を下回り大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年07月08日 16時09分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9420.75円 ▼227.04円
売買高 21億2825万株
日経平均先物 9410円 ▼230円
売買代金 1兆4460億円
TOPIX 888.54 ▼20.59
値上がり銘柄 200銘柄
東証マザーズ指数 463.19 △2.46
値下がり銘柄 1441銘柄
日経ジャスダック平均 1203.52円 ▼13.54円
変わらず 57銘柄
騰落レシオ 101.61% ▼7.19%

日経平均

米国株安、信用収縮懸念に加え、機械受注が予想を下回り大幅下落

 米国市場が大幅安となったことや為替も円高に振れたことに加え、寄り付き前に発表になった5月の機械受注統計が予想を下回ったことから売り先行となりました。先物を筆頭に売り気配から始まるものも多く大幅安の始まりとなりましたが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きの売りが一巡した後は節目と見られる日経平均9500円を意識して底堅い展開となる場面もありました。ただ、買戻しを急ぐようなこともなく戻りの鈍さが確認されると先物にまとまった売りが出て、あっさりと節目を割り込み一段安となりました。

 後場も寄付きから売りが先行、前場の安値を下回って始まったあとも戻りは鈍く、下値を探る展開となりました。さすがに引けを意識する時間帯になると買戻しもちらほらと入り、戻りを試す動きにはなりましたが、為替の動きも鈍く戻りも限定的となりました。結局、目先筋の買戻しは見られたものの最後まで売りは続き指数は節目と見られる9500円を割り込んで引けました。オプションSQ(特別清算指数)算出を控えてヘッジ売りもかさんだものと思われます。

 小型銘柄もさすがに利益確定売りや見切売りに押され軟調となるものが多くなりました。それでも二部株指数や日経ジャスダック平均は大幅安ながらも主力銘柄ほどの下げではなく、東証マザーズ指数は最後は買いが入って堅調となりました。先物は朝方から時間を決めて散発的にまとまった売りが出ていたようで、オプションSQに絡むヘッジ売りか持高調整の売りと思われます。

 依然として売りが止まりません。今年の1月高値から3月安値をつけるときのような展開になってしまいました。当時と比べると懸念材料はかなり少なくなっており、3月安値水準まで下落するとは思えませんが、いつまで信用収縮の売りが続くのか見極めるまでは買い難くなってしまうのかもしれません。商品市況に底入れ感が出てくれば株式相場も反転するものと思われますが、その前に為替から反転となってくるのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 節目と見られる水準を割り込んでしまいました。まだ、日々線が雲にサポートされる可能性も高く、ここからの切り返しが期待されます。RSIはまだ下落余地もあるのですが、ストキャスティックスはそろそろ底値圏になっており、雲にサポートされての反発が期待されます。

TOPIX

NYダウ

 基準線や転換線に上値を押さえられた格好です。かろうじて日々線が雲にサポートされるかどうかと言う状況は日経平均と同じで、RSIは下落余地もあるのですが、ストキャスティックスが底値圏に近く、日経平均と同じように雲にサポートされて下値を確認することになるのではないかと思います。

円相場

NYダウ

 遅行線が日々線を割り込み、日々線も雲を上値に下値を探る展開となりました。RSIもストキャスティックスも下落余地があり、まだ下値を探る展開が続くのでしょうが、値幅的には1月高値=3月安値=5月安値水準である、1ドル=94円水準では下げ止まるものと思います。値幅的には「いい水準」であり、あとは日柄の整理ということにいなるのかもしれません。

銘柄ピックアップ

前日に続き主力銘柄が売られ、ディフェンシブ銘柄や小型株が買われる

東 宝(9602) 1590 △2

 前日の大引け後に2010年2月期連結業績予想を上方修正、堅調な展開となりましたが、相場全体の下落を受けて上値の重い展開となりました。それでも、引き続き上方修正も期待されることから売り急ぐ動きはなく堅調な地合いが続きました。

三井物(8031) 1070 ±0

 カナダからリチウムを大量調達すると新聞で報じられ、需要急増が見込まれている電池の材料だけに収益拡大期待から買われ、堅調となりました。

GSユアサ(6674) 802 △11

 電動バイクを発売すると報じられ、電池の具体的な利用拡大として好感され堅調となりました。ここのところ軟調な地合いとなっていただけに値ごろ感からの買戻しもあったものと思われます。

川崎船(9107) 362 ±0

 売り気配からの始まりとなりましたが、海運株への買戻しの一環で買われ、底堅い展開となりました。本日付の新聞で4−6月期の連結経常利益が大幅赤字となる公算が大きいと報じられたことが嫌気されました。

サイゼリヤ(7581) 1460 △60

 前日の引け後に発表した2008年9月−2009年5月の連結決算はデリバティブ解約に伴う損失で赤字は避けられなかったものの下期から既存店売上高が回復傾向で、第3四半期の最終損益は黒字となったことから、収益回復期待から買われ、大幅高となりました。

ダイキン(6367) 3030 △10

 夏本番を迎えるなか、空調設備を手掛ける同社が注目されますが、欧州向けの空調の下げ止まりと競争力の大幅回復の確度が高まるということで大手証券が投資判断を引き上げたことから一時大幅高となりました。地合いの悪さに上値を押さえられました。

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