コラム
» 2009年07月07日 07時00分 UPDATE

大出裕之の「まちと住まいにまつわるコラム」:オール電化賃貸から畑付き賃貸まで――エコ住宅を探してみた (1/2)

エコ意識の高まりや政府の支援策などから、トヨタ自動車の「プリウス」のようなエコ商品が注目を集めている。そこで、不動産業界でも「エコ住宅」を探してみた。

[大出裕之,Business Media 誠]

「まちと住まいにまつわるコラム」とは?

「HOME'Sまちと住まいの研究室」室長、大出裕之氏が“まちと住まい”をテーマに執筆するコラム。気になるニュースや事柄、新商品や新サービスなどを取り上げ、住まいの専門家ならではの視点で語ります。

大出裕之(おおいでひろゆき):情報媒体や、PC・IT系メディアの編集を長年勤める。ついでにボランティアとして、東京商工会議所のプロジェクトXSHIBUYAを手伝い中。途中ネットベンチャーの起業などを経て、現在は住宅・不動産情報ポータルサイトHOME'Sにて、まちと住まいについてのWebメディアの運営や冊子の刊行などを行っている。「HOME'Sまちと住まいの研究室」室長。


 「エコだ」「環境だ」と急に話題になってしまったのは、オバマ大統領のグリーンニューディール政策だけが原因ではない。日本の首相も、三種の神器として「エコカー」「省エネ家電」「太陽光パネル」を挙げた。「エコの推進=景気回復の切り札」的な業界の意向と政策のフォローが進行しているのが昨今のエコブームではないだろうか。

 とはいえ、実際にあの手この手の減税や補助金政策の投入のおかげで、お金に余裕のある人の消費刺激の役に立っていることは確かだろう。今回は住まいのエコについてまとめてみたい。

借りるエコ

 最近少しずつ増え始めているのが、オール電化賃貸。東京電力のエリアだけで、2005年〜2008年の累計で3万戸を突破している。このオール電化賃貸のメリットは、ズバリ節約。ガスの基本料金がなくなり、なおかつ安価な夜間電力を有効活用するので、電気代自体は上昇するが、トータルの光熱費がワンルームタイプで約2000円安くなる(詳しくはHOME'Sの特集を読んでいただきたい)。

ah_ruikosu.jpg 東京電力提供の管内のオール電化賃貸の累計戸数

 オール電化で興味深いのは、日本全国で関東地方(要は東京電力管内だ)のオール電化率が最も低いのだそうだ。対照的に高いのは関西電力管内。阪神・淡路大震災時にガスの復旧が電気より遅かったことや、電化していると火災リスクが低くなることなどから、「ガスが使えなくなる」という心理的抵抗感が少ないのも一因らしい。

 省エネできて光熱費が低くなり、なおかつ家賃が変わらないのなら歓迎に決まっている。オーナー側が入居率向上のために積極的にオール電化を進めれば進めるほど、入居者にもメリットが出るのは間違いない。

ah_DSC_7077.jpg パナホームのオール電化賃貸物件の例。玄関先に貯湯タンクが設置されているが、まったく気にならない。キッチンは火を使わないので油が飛びにくくガスより清潔

自然派賃貸

 エコキュートなど最新のテクノロジーを駆使した節約系エコもあれば、自然派賃貸というのも話題になっている。先日HOME'Sで取材したのは、東京23区内にある畑つきの賃貸物件だ。

 足立区にある花園荘は4戸のアパートで、庭には家庭菜園が設置されている。オーナーいわく、入居者を事前面接しようかと思ったほど、このアパートのコンセプトを理解いただける人に入居してもらいたかったそうだ。

 そのコンセプトは、菜園を通じたコミュニティ。住まい自体は自然材をふんだんに使用しているのはもちろんだが、隣の入居者とのコミュニケーションを重視したアパートになっている。オーナーが収穫祭を企画したり、毎朝、菜園(または庭先とも言える)で挨拶できたりと、都会では味わいにくい濃い近所付き合いがコンセプトだ。

 この畑つきアパート、周辺の同レベルの広さの賃貸物件の家賃が約9万円程度なのに対し、12万円を設定している。しかし、それにもかかわらず待機者リストがあるほど人気となっている。これもエッジの立ったエコの実践と言えるだろう。

ah_hanazonosou2s.jpg 畑は15平方メートルほどで、平均的な市民農園1区画程度の広さがある
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