スキマがない……マクドナルドのプロモーション戦略それゆけ! カナモリさん(3/3 ページ)

» 2009年07月06日 07時00分 公開
[GLOBIS.JP]
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次はどう来る?

 「マックでDS」を開始し、期間限定で「日本バラ色計画」を展開。これらのプロモーションには、「セグメンテーションのスキマを作らない」というマクドナルドの狙いが隠されている。そして、売上げ・利益を確保するには、客数を増し、客単価を上げ、来店頻度を高めることが基本の「き」であるが、マクドナルドのプロモーションでは、それがカッチリと整合性を持って、励行されているのである。

 「マックでDS」の第1弾キャンペーンは7月17日まで。「日本バラ色計画」のバラ色Tのキャンペーンも7月16日まで。夏休み本番にはさらなるキャンペーンが用意されているのは想像に難くない。

 手堅い支持層の低価格ランチ客とガッツリ食べたい男性客。それに、あしげく通ってくれる親子と、ノリでガッツリ食べてくれる女子を取り込んで、次はどこに行くのか。

 夏休みに学生の利用は黙っていても増えるだろう。だとすれば、狙いは他の層。暑い夏場にちょっとあっさりヘルシーなメニューで、ガッツリ食べないお姉さん女子を狙うか、はたまた、暑さに負けるなと、ちょっと年齢の高い層に「土用のマクド」でも仕掛けるか……。

金森努(かなもり・つとむ)

東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道18年。コンサ ルティング事務所、大手広告代理店ダイレクトマーケティング関連会社を経て、2005年独立起業。青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。

共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダ イヤモンド社)。

「日経BizPlus」などのウェブサイト・「販促会議」など雑誌への連載、講演・各メディ アへの出演多数。 一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。


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