コラム
» 2009年07月03日 14時15分 UPDATE

杉山淳一の +R Style:第9鉄 仙石線マンガッタンライナーと“キレンジャーのカレー” (1/4)

仙台から松島を通り、石巻へ至る路線「JR仙石線」。終点・石巻駅を降りるればそこは漫画の街だ。石ノ森章太郎が生み出したたくさんのキャラクターが旅人を待っている。そして、“あのカレー”も……。

[杉山淳一,Business Media 誠]

 仙台を基点に観光するといえば松島を思い浮かべる。松島は仙台駅からJR仙石線で行くと便利だ。その仙石線に、漫画のキャラクターが描かれた電車が走っている。「マンガ」と電車の音の「がったん」をかけて「マンガッタンライナー」と呼ぶ。ガッタン、ガッタンと揺られていけば、終点の石巻駅でも漫画のキャラクターが出迎えてくれる。

ay_map.jpg 今回のルート(GoogleMapで筆者による地図のコメントと説明を確認できます)

石ノ森章太郎のキャラクターが大集合

 朝イチの新幹線で仙台に来た。用事は昼過ぎに終わったけれど、このまま帰るなんて新幹線代がもったいない。ちょっとこのへんの電車に乗って遊ぼう。

 仙台と石巻を結ぶ、仙石線と言う路線は、車窓から日本三景の松島を眺められる。そして仙石線のもう1つのお楽しみが「マンガッタンライナー」。車体に石ノ森章太郎原作のキャラクターを描いた電車が2編成ある。いつか乗ってみたいと思っていた。

 仙石線のホームは仙台駅の地下にある。他のJR線と隔てられている理由は、かつてこの路線が宮城電気鉄道という私鉄路線だったからだ。宮城電鉄は塩釜と仙台を結び、さらに西へ延伸する計画だった。そこで当時、仙台駅をトンネルでくぐり抜けるルートを作った。これが日本で最初の地下鉄道で、開業は東京の地下鉄銀座線より2年ほど早かったという。もっとも、現在のルートは当時とは異なり、大柄の電車に対応したルートに付け替えられている。

 電車は4両編成の通勤型205系だ。東京の山手線のお下がりを改造している。このあたりのJR線は交流電化されているが、宮城電鉄はもともと直流電化で開業したため、仙石線だけは直流電車が走る。だから山手線の電車を流用できたわけだ。改造工事で寒冷地向けにドア開閉スイッチが設置され、先頭車には車椅子対応のトイレも作られた。一部の編成は石巻側の先頭車がクロスシートになっていて、車窓を眺めやすい。

 さて、お目当ての「マンガッタンライナー」は、休日のみ決まった時刻で運行する。しかし今日は平日なので、一般車と同じローテーションだ。仙台から一般車に乗ったら、ちょうど反対側にマンガッタンライナーが到着した。あの電車は起点のあおば通駅で折り返してくるだろうから、ちょっと先まで乗って待ち構えよう。仙石線はあおば通、仙台、榴ヶ岡、宮城野原、陸前原ノ町の各駅が地下区間である。電車の写真を撮るなら地上に出てからだ。周囲の見晴らしも考慮して中野栄駅で降り、後続のマンガッタンライナー1号を撮って、その電車に乗った。

ay_01.jpg 中野栄駅で「マンガッタンライナー」を待ち伏せ

 マンガッタンライナー号は車内にも漫画を飾っていた。中吊り広告は石巻駅近くの石ノ森萬画館のイベント告知で、現在は赤塚不二夫展を開催しているらしい。ドアの横の壁には漫画家たちのイラストとサインが飾られていた。石巻市は宮城県出身の石ノ森章太郎にちなんだ町おこしに取り組んでいて、石ノ森萬画館を設立した。それに協力する形でJRが2003年からマンガッタンライナーを走らせている。さらに2008年からマンガッタンライナーII号が登場した。どちらの編成も、1両ごとに仮面ライダー、ロボコン、ゴレンジャー、サイボーグ009などが描かれている。今年2009年は下3桁が「009」だから、サイボーグ009の企画もありそうだ。

ay_02.jpgay_03.jpg マンガッタンライナーの車内。山手線の電車を改造してクロスシートにしてある(左)。トイレにもキャラクターのシルエットが……(右)

 私が乗ったマンガッタンライナー号は多賀城駅止まりだった。次の電車は一般車で東塩釜止まり。東塩釜で次の石巻行きを待っていたら、今度はマンガッタンライナーII号が来た。実に運がいい。東塩釜からは単線になり、勾配もトンネルも多くなる。ローカル線の旅らしい雰囲気だ。松島湾の遊覧船に乗るなら松島海岸駅が最寄り駅。しかしここで雨が強くなり、船旅は見送った。皮肉なことに、松島湾そのものは車窓から見えない。しかし、仙石線の車窓からも松島風の景色を楽しめる。その第一のポイントは松島海岸駅の手前、東塩釜駅と陸前浜田駅の間。次は陸前富山駅から東名駅の間。この辺りが仙石線の車窓のハイライトだ。車窓右手に注目しよう。

ay_04.jpgay_05.jpg 「マンガッタンライナーII」で石巻へ(左)。松島湾風の眺めが続く(右)

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