雇用の悪化や3連休の手仕舞い売りで大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年07月03日 08時22分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8280.74▼223.32

<NASDAQ>1796.52▼49.20

<為替:NY終値>95.91-95.97

雇用の悪化や3連休の手仕舞い売りで大幅下落

 朝方発表された6月雇用統計で非農業部門の雇用者数が予想を大幅に上回る減少となり、懸念されていた雇用不安が一気に噴出した格好となりました。大幅下落で始まった後は節目と見られる水準では下げ渋りましたが、買戻しを急ぐ動きはなく戻りも限定的となりました。欧州でアイルランドの格下げなどから信用不安も頭をもたげたことも下げを加速させる要因となったものと思われます。各国の景気対策などの効果が一巡した感があり、日本も含めて「次」の景気回復への手がかりを探しているような状況ではないかと思われます。

 雇用情勢の悪化や欧州での信用不安を受けて原油価格が下落するなど商品市況も「信用収縮懸念」から軟調となり、株式も含めた「リスク資産」からの逃避の動きとなりました。これまでの回復期待を一気に萎ませるような雰囲気にはなっていますが、3連休を控えて手仕舞い売りやヘッジ売りがかさんだことや市場参加者が少なかったこと、また、四半期決算の発表が始まる前に持高を調整する動きなどもあって大幅下落となったものと思われます。雇用統計の影に隠れてしまいましたが、新規失業保険申請件数は改善しており、また、かろうじてダウ平均もナスダック指数も節目と見られる水準で下げ止まっているので、まだ「底割れ」懸念はないものと思います。

 個別にはダウ平均採用銘柄は30銘柄全てが安く、下げのきつい銘柄もアルコア、キャタピラー、JPモルガンチェース、トラベラーズと多岐に渡り、「株式」そのものが売られる展開となっています。原油価格の下落の影響も大きくシェブロンやエクソンモービルは下落、投資判断の引き上げもあって、コンチネンタル航空やデルタ航空が高くなりました。個人消費関連銘柄もご他聞に漏れず安く、ウォルマートやホームデポも売られました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や円安などを受けて堅調な始まりとなったものの、米経済指標などへの懸念や節目と見られる10000円を抜けないといった失望感から手仕舞い売りを急ぐ格好となり、軟調となりました。下値を売り叩くような動きはほとんどなかったのですが、買い気の乏しい、薄商いの中、手仕舞い売りや見切売り、持高調整の売りに押された格好となりました。

 米国市場が大幅下落となったことや円高、特に対ユーロで円高が進んだこともあり、軟調な展開となりそうです。ただ、海外市場に比べ昨日の下落である程度織り込まれていたことなどから、底堅い展開も期待されます。専門小売店の6月の売上状況が発表されましたが、一部の企業を除いて苦戦しているものが多く、景気底入れは確認できたもののまだ個人消費のところでは厳しさも見られ、個人消費関連を中心に見切売りがかさみそうです。一方で買い方の資金の回転が効いており、太陽電池関連などの材料含みの銘柄を幕間つなぎとして物色する展開となりそうです。

 10000円という心理的な抵抗ラインを抜けきれずに再び押し目を試す展開となりそうです。9500円から10000円と言う水準でのもみ合いを確認することになるのか、9700円から800円程度までの押しで済むのかを試すことになりそうですが、10000円を超えるところでは売りがかさんだように、9500円に近づけば押し目買いや買戻しもかさんで来るものと思います。本日は9700円から800円の節目での底堅さを確認できるかどうかということになりそうです。

本日の注目点

◇12月−5月期決算:不二越(6474)

◇3−5月期決算:ダイエー(8263)

◇米全市場休場

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