コラム
» 2009年07月03日 07時59分 UPDATE

クルマが売れない理由 (1/2)

食べればなくなってしまう食料品はさておき、私たちが商品を購入するとき、そのほとんどは「買い替え」だ。そこで人がモノを買い替える・買い替えない理由について、2つの要因を分析してみた。

[松尾順,INSIGHT NOW!]

著者プロフィール:松尾順(まつお・じゅん)

早稲田大学商学部卒業、旅行会社の営業(添乗員兼)に始まり、リサーチ会社、シンクタンク、広告会社、ネットベンチャー、システム開発会社などを経験。2001年、(有)シャープマインド設立。現在、「マインドリーディング」というコンセプトの元、マーケティングと心理学の融合に取り組んでいる。また、熊本大学大学院(修士課程)にて、「インストラクショナルデザイン」を研究中。


 私たちが商品を購入するとき、そのほとんどは「買い替え」ですよね。食べればなくなってしまう食料品はさておき、そのほかの商品(自動車、家電、日用品、衣料品など)は、たまに「買い増し」もあるものの、自宅などの限られたスペースに収容しなければならないといった制約があるので、多くの場合、古いものと「買い替え」ることになります。

 したがって、人がモノを買い替える・買い替えないの理由については、以下の2つの要因で考えることが有効でしょう。

(1)内的要因

 その商品を買いたいと思う、消費者の内側から湧き上がってくる購入欲求のことです。

(2)外的要因

 その商品の買い替えにふさわしいタイミングや予算など、消費者の欲求の外側にある外的状況のことです。

 そして、言うまでもなく、消費者が購買に踏み切る決断をしやすいのは、上記2つの要因がともにそろった時ですね。どちらか一方だけの要因だけだと、なかなか購買に踏み切ることができません。

 例えばもし、あなたの内的要因はそろっている、つまり「ある商品をとても買いたい」と思っていたとしても、外的要因がそろっていないとき。また予算が足りない、現在の商品がまだ新しいといった状況の場合、なかなか買い替えできませんよね。

 逆に、外的要因はそろっている、つまり買い替えの予算も十分あり、手持ちの商品はいいかげん古くて使いずらい状況になっていたとしても、そもそも欲しいモノがなければ「まだいいや、もうちょっと我慢しよう」と待ちに入ってしまいがちです。

クルマを購入しない理由

 イトーヨーカードーが今年前半に何度か実施した「衣料品等の現金下取りセール」は「内的要因」たる「購買意欲」を刺激したのではなく(購買意欲はそもそもある程度あった)、「タンスが一杯だから……」といった「外的要因」における障壁を除去することに成功したからでしょう。

 さて嗜好品的な要素が強く、かつ高額の耐久消費財である、「自動車」の場合はとりわけ、内的要因、外的要因の両方を考慮する必要性が高いと思われます。なぜなら、欲しいと思える好きなクルマがなければ、購買意欲はなかなか高まりません。同時に、車検時期や保有年数といった外的要因も購買に大きな影響を与えるからです。

 上記のことを実感させる最新の調査結果があります。これは、インターネット自動車販売仲介サービス会社、「オートックワン」と日刊自動車新聞社が、2009年5月1〜11日の間に、オートックワンのメール会員またはWebサイト訪問者4016人から回収した、「エコカー減税」についてのアンケート調査※です。

※アンケート出典:『宣伝会議』(2009年7月1日)MARKETING DATA
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