九州電力と沖縄電力、離島10カ所でスマートグリッドの実証実験を実施

» 2009年07月02日 14時34分 公開
[栗田昌宜,ITmedia]

 九州電力と沖縄電力は7月1日、離島の独立電力系統に太陽光発電や風力発電などを組み入れたスマートグリッドを構築し、電力系統の運用・制御面の課題や経済性を検証・評価する実証試験を実施すると発表した。

 同試験は、経済産業省資源エネルギー庁による「離島独立型新エネルギー導入実証事業」を受けて実施するもの。本土の電力系統に連系していない離島の電力供給は、島内に設置されたディーゼルなどによる内燃機発電が中心だが、エネルギーセキュリティおよびCO2排出量削減の観点から、太陽光発電や風力発電などによる再生可能エネルギーの利用を積極的に推進するとしている。

 実証試験を行うのは、九州電力は鹿児島県の黒島(太陽光発電設備:60キロワット、風力発電設備:10キロワット)、竹島(太陽光発電設備:7.5キロワット)、中之島(同15キロワット)、諏訪之瀬島(同10キロワット)、小宝島(同7.5キロワット)、宝島(同10キロワット)の6島、沖縄電力は沖縄県の宮古島(同4000キロワット)、与那国島(同150キロワット)、北大東島(同90キロワット)、多良間島(同230キロワット)の4島の合計10カ所。実証実験の期間は、九州電力は7月から2013年3月まで。沖縄電力は8月から実証実験に向けて工事を開始する。

 既存の電力系統に太陽光発電や風力発電などを組み入れる際に問題となる日中/夜間の発電出力の変動については、蓄電池設備を設置して日中に充電した余剰分を夜間に放電する発電出力の時間帯シフトを行う。また、天候などによる微妙な発電出力変動は蓄電池と平滑化制御システムを連携させて補償・平準化する。

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