米国株高や円高一服、お化粧買い期待も強く大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年06月30日 16時09分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9958.44円 △174.97円
売買高 20億5359万株
日経平均先物 9930円 △110円
売買代金 1兆4909億円
TOPIX 929.76 △14.44
値上がり銘柄 1255銘柄
東証マザーズ指数 442.05 △2.97
値下がり銘柄 336銘柄
日経ジャスダック平均 1200.02円 △9.08円
変わらず 109銘柄
騰落レシオ 124.44% △2.86%

日経平均

米国株高や円高一服、お化粧買い期待も強く大幅高

 米国市場が堅調、ダウ平均が大幅高となったことや為替が米ドルだけでなくユーロに対しても円安となったことや月末のお化粧買いに期待する動きなどから買い先行となりました。買い気配から始まるものが多く、寄り付きから指数は大幅高となりましたが、寄り付きの買いが一巡した後も心理的な節目と見られる10000円を目指す展開となり、目先筋の利益確定売りをこなしながら10000円をつけました。10000円をつけたところからは目先的な達成感も出たようですが、お化粧買いに対する期待もあって売り叩き難く、高値圏で小動きとなりました。

 後場に入ると昼の時間帯に若干円高に振れたことなどもあって、売り先行の始まりとなりました。先物にまとまった見切り売りが出て上げ幅を縮小する場面もありましたが、それでも依然としてお化粧買いへの警戒もあって売り込み難く、底堅さを確認して切り返すと再び10000円を目前に高値圏でのもみ合いとなりました。達成感と先高感が交錯して方向感のない展開が続きましたが、結局、お化粧買いというほどの買いは入らず、目先筋の見切り売りに上値を押さえられて、10000円を意識する水準で大幅高ではあるものの上げ幅を縮小して引けました。

 小型銘柄も堅調なものが多かったのですが、主力銘柄が全面高となるなかで、上値の重いものが目立ちました。東証マザーズ指数、二部株指数、日経ジャスダック平均は日経平均が大幅高となるなかで堅調というに止まりました。先物も散発的にまとまった売り買いは見られたものの、積極的に買い上がる、あるいは売り叩くような一方向への動きとならず、常に売り買い、強弱が対立しているような感じで、指数の方向感を出すにはいたらず、最後はお化粧買いの後のヘッジ売りもあって上げ幅縮小となりました。

 「10000円」と言う心理的な節目と「お化粧買い」と言う月末特有の動きを常に気にしながらの展開となっていたようです。強含みではあるのですが、いったん買われた後は目先的な達成感も出たようで買い上がり難いということなのでしょう。ただ、達成感が出ている、もみ合い相場の上限と見られている割りには見切り売りも少なく、日米の主要な経済指標の発表がよほど悪いものでない限り、今度は10000円を抜けて、大台を固めるような動きになって来るのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 心理的な節目である10000円で上値を押さえられてしまいました。米国市場動向や為替、経済指標の発表などで明日10000円を抜けてこないと9500円から10000円でのもみ合いという意識が強まり、再び基準線あたりでの押し目を確認するような動きとなりそうです。明日10000円を抜けて来るようであれば、RSIやストキャスティックスには上値余地もあり、10000円台を固めることになるのでしょ。

TOPIX

NYダウ

 基準線や転換線がサポートとなって反発となった格好であり、上値を試す場面と思われます。6月12日、15日の高値水準までは節目らしい節目もなく、RSIやストキャスティックスに上値余地もあり、高値を窺う展開となるもとの思います。

円相場

NYダウ

 雲に上値を押さえられていますが一方で遅行線が日々線にサポートされて底堅さも見られます。RSIは下げ足りないのですが、ストキャスティックスは底値圏からの反発を示しており、引き続き遅行線が日々線にサポートされる格好で日々線が雲に突っ込み、戻り歩調となって来るものと思われます。

銘柄ピックアップ

米国株高やお化粧買い期待から主力銘柄を中心にほぼ全面高

旭硝子(5201) 775 △23

 薄型テレビの販売回復を受けて、パネル大手やガラスなどの素材メーカーが一斉にフル稼働に入ると新聞で報じられ、同社も既存設備がほぼフル稼働に入ったと伝えていることから、液晶用ガラス事業の収益回復の期待が高まり、大幅高となりました。

エルピーダ(6665) 1045 △14

 10月から液晶テレビの画面表示に使う半導体の生産をNECエレクトロニクス(6723)から受託すると新聞で報じられたことで、稼働率の改善や収益拡大を期待する買いが入り堅調となりました。公的資金による資本増強が認定されたことも後押しとなりました。

ユニオンツール(6278) 2525 ▼50

 前日の引け後に2009年11月期の連結業績は純利益が従来予想を下回りそうだと発表、嫌気する売りに押され一時大幅下落となりました。

トヨタ(7203) 3670 △100

 6月の米新車販売が年率換算で5月の990万台から1030万台に増加する見通しと報じられたことや前日の米国市場が堅調であったことなどから買われ、大幅高となりました。

帝 人(3401) 311 △21

 後場に入って一段高となりました。2010年秋にも耐熱性に優れたリチウムイオン二次電池用セパレーターの量産を始めると新聞で報じられたことを好感して大幅高となりました。先駆した電池関連銘柄が利益確定売りで一服となるなかで乗り換えの対象となり、買われたものと思います。

凸版印(7911) 975 △71

 中国など振興国向けを中心に液晶パネル市場が好調に推移、液晶カラーフィルタ(CF)の生産がフル稼働の状態にあるということで、国内証券が2010年3月期以降の業績予想を上昇修正、投資判断も2段階引き上げたことから買われ、大幅高となりました。

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