原油高や持高調整の売り一巡感から堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年06月30日 08時25分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8529.38△90.99

<NASDAQ>1844.06△5.84

<為替:NY終値>96.04-96.1

原油高や持高調整の売り一巡感から堅調

 週明けの米国市場は主要な経済指標の発表を控えて引き続き持高調整の売りに押されるような始まりとなりましたが、持高調整の売り一巡感に加え、原油価格が高く、欧州でも手仕舞い売り一巡感などからリスク許容度が上昇し資金流入が認められたことで、堅調となりました。主要な経済指標の発表を控えた月末ということで、買戻しを急ぐ場面もあったようです。特に買い上がる材料もないことや主要な経済指標の発表などを控えていることから上値も限定的となりましたが、投資判断や目標株価の引き上げもあり、ダウ平均は大幅高、ナスダック指数も堅調となりました。

 日本市場と同じように景気の回復が遅れるとか悪化が見られるということで売られたわけでもなく、持高調整の売りが一巡したと見られると買戻しも入るようです。原油価格の上昇やユーロの上昇を見ているとリスク許容度が再び上昇、資金の回転が再び効き始めたと見られ、今後の経済指標の発表次第では再び上昇基調となって来る可能性もありそうです。四半期、前期決算ということで「お化粧買い」期待もあり、売り叩き難いということもあるのでしょうが、特に信用不安が増幅されるようなものがなければ戻りを試す展開となるのでしょう。

 個別には原油価格の上昇を好感してシェブロンやエクソンモービルが高く、目標株価の引き上げのあったマイクロソフト、投資判断が引き上げられたJCペニー、傘下の会社がSEC(米証券取引委員会)から調査に関する通知を受けたステートストリートが高く、新車販売の減少率が縮小するとの見方からフォードも堅調となりました。一方投資判断の引き下げが伝えられたアルコアは大幅下落となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は前場は堅調となり、日経平均の心理的な節目である10000円を目指す展開になるかと思われたのですが、後場に入ると急転し、先物などにもまとまった売りもあって一時大幅下落となりました。特に大きく売られる理由があったわけでもなく、持高調整の売りが出たことに加え、いくつかのちょっとした売り要因がかさなり、大きな下げとなる場面があったものと思います。さすがに最後は買戻しも入り底堅さも見られましたが、まだまだ疑心暗鬼で強気になり切れないということのようです。

 本日は米国株高や円安に加え、月末ということで「お化粧買い」への思惑から堅調な展開となりそうです。昨日の下落の反動も期待され、日経平均も心理的な節目である10000円を超えてくるものと思います。大型増資が相次ぎ、需給への懸念も取りざたされていますが、持高調整の売りに押された銘柄を中心に反発となって来るのではないかと思います。市場全体としては過熱感が強いようにも思われますが、ここのところの持高調整の売りで商社株や非鉄株、ハイテク銘柄など主力銘柄には押し目を形成して底堅さが見られるものも多く、戻りを試す展開となって来るのではないかと思います。

 日経平均は10000円を目指す動きとなりそうです。昨日の下落の分は取り戻せそうですが、10000円を意識したところでの手仕舞い売りなどをこなせるかどうかと言うところでしょう。再び10000円を超えるようなことになれば、今度は「達成感」というよりは10000円台を固める動きとなって来るのではないかと思います。月末の「お化粧買い」と手仕舞い売りが交錯する格好となりそうですが、先物のヘッジの買いや買戻しを急ぐ動きになれば一気に10000円を超える展開となって来るのではないかと思います。

本日の注目点

◇5月の失業率(総務省)

◇5月の有効求人倍率(厚労省)

◇5月の家計調査(総務省)

◇5月の毎月勤労統計(厚労省)

◇12月−5月期決算:キユーピー(2809)

◇3−5月期決算:サークルKサンクス(3337)、しまむら(8227)、ユニー(8270)

◇4月の米S&Pケース・シラー住宅価格指数

◇6月のユーロ圏インフレ率

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