コラム
» 2009年06月30日 07時00分 UPDATE

松田雅央の時事日想:麦ワラの家はあったのだ! 究極のエコハウスとは (1/3)

その昔、ドイツの農村では麦ワラを詰めたベッドを使っていたという。麦ワラは保温性に優れ、通気性もよく、経済的だ。そんなエコ素材である麦ワラを積み上げて、本物の家を建てている建築家に話を聞いた。

[松田雅央,Business Media 誠]

松田雅央(まつだまさひろ):ドイツ・カールスルーエ市在住ジャーナリスト。東京都立大学工学研究科大学院修了後、1995年渡独。ドイツ及び欧州の環境活動やまちづくりをテーマに、執筆、講演、研究調査、視察コーディネートを行う。記事連載「EUレポート(日本経済研究所/月報)」、「環境・エネルギー先端レポート(ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社/月次ニュースレター)」、著書に「環境先進国ドイツの今」、「ドイツ・人が主役のまちづくり」など。ドイツ・ジャーナリスト協会(DJV)会員。公式サイト:「ドイツ環境情報のページ(http://www.umwelt.jp/)


 昔、ドイツの農村では綿の代わりに麦ワラを詰めたベッドを使っていた。麦ワラは保温性に優れ、通気性も良く、何より経済的だ。また、日本家屋で泥に稲ワラを練り込んだ土壁が使わていたように、ドイツの伝統家屋でも麦ワラの土壁が使われる。使用量はずっと少なくなるが「細かい麦ワラを混ぜた壁紙」というものもあり、麦ワラの湿度調節効果で室内が快適に保たれるとして今でも根強い人気を誇っている。

 そんなエコ素材である麦ワラを圧縮してブロック状に固め、積み上げて本物の家を建ててしまう建築家がいる。実物を見てみないとなかなか信じられないかもしれないが、ブロックは十分な硬さがあり、建築材料の条件も十分クリアする優れものだ。

 今回は麦ワラで建てる奇想天外な究極のエコハウスを紹介しよう。

yd_matu1.jpg 麦ワラブロックを積んで作ったデモンストレーション用の小屋(写真1)
yd_matu5.jpg 麦ワラブロックの表面

強度は十分、耐火性もOK

 通常、収穫後の麦ワラは粉砕され畑に撒かれるか、再利用(例えば馬の飼育場で利用)するならば、その場で機械を使いブロック状に圧縮してプラスチック製のひもがかけられる。こうして作られたブロックの重さは1個当たり10キログラムほど(比重は1立方メートル当たり40〜50キログラム)になる。

 エコハウスに使用されるブロックも同じように作られるが、圧縮率は格段に高く、重さは1個30〜40キログラムほど(比重は1立方メートル当たり150〜180キログラム)。形を保つための糊を添加する必要はないが、ブロックをくくる紐には丈夫なスチールワイヤーが使われる。

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