コラム
» 2009年06月30日 07時00分 UPDATE

FXの取り扱い業者が破たんした……証拠金はどうなる?

外国為替証拠金取引(FX)を取引する場合、取引業者に証拠金を預けなければならない。しかしこの証拠金……万が一、取引業者が破たんすれば返ってくるのだろうか? 

[國津雅央,Business Media 誠]

問い

 万が一、外国為替証拠金取引(以下、FX)の取引業者が破たんした場合、証拠金はどうなりますか?

(1)業者内で区分管理してあれば、全額返還される。

(2)金銭信託となっていれば、全額返還される。

(3)金銭信託となっていても、全額返還されるとは限らない。

答え

 預けた証拠金は預金のように預金保険の対象ではありませんので、基本的にはどの形であっても全額保証はされません。正解は(3)です。

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解説:証拠金を預ける際のポイント

 証拠金は預金のように保険が付いていませんので、預ける際はより慎重な業者選択が必要です。

 原則的には(1)のように業者内で自己資産と顧客資産を明確に区分管理していれば、破たん時にも顧客に返還できるはずですが、過去の破たん時の事例を見ると、顧客資産を自己の資産として使用したため、証拠金が返還されなかったケースが起きています。そこで、2009年中にも法令により金銭信託が義務付けられることとなりました。

 金銭信託はFXの取引業者が信託銀行に信託口座を開設し、顧客から預かった資産を信託するものです。これにより業者が破たんした場合でも、信託された資産については、業者の資産とは完全に分離されます。また、信託されている金額が破たん時に必要な金額に不足しないか常に第三者によるチェックが入ります。この点では、業者内での区分管理に比べて、不正が及ぶ可能性が低くなり、より安全と言えます。

 ただし、金銭信託は預金ではありませんので、今度は運用リスクが発生します。例えば、金銭信託の運用先が破たんした場合には信託された資金が毀損することになります。このような事象に対してどの程度対応してくれるのか、FXの取引業者の体力にもよる部分が大きいと思われます。金銭信託しているのであれば、すべてのリスクから開放されると考えるのは早計です。金銭信託となっている場合でも業者の信頼度をよく確認することがポイントです。(ソニー銀行・國津雅央)

以下の項目について説明が不足する部分がありましたため、2009年7月10日に追記いたしました。

問い(1)について

過去に業者が破たんした際、区分管理されているはずの証拠金が実際はされていなかったことがあります。そのような業者が採用していた金銭信託以外の区分管理方法(銀行預金など)を指しています。

預金保険について

当座預金・利息のつかない普通預金などは全額保護。利息のつく普通預金、定期預金、定期積金、掛金、元本補てん契約のある金銭信託(ビッグなどの貸付信託を含みます)、金融債(保護預り専用商品に限ります)などは、1金融機関ごとに合算して、1預金者当たり元本が1000万円までと、その利息などが保護されます(外貨預金は預金保険の対象ではありません。参照:預金保険機構 )。

従って、預金にしても金銭信託にしても、預け入れ先の信頼度を確認することが必要です。


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