個人消費の回復懸念でダウは軟調、ハイテク銘柄の好決算でナスダックは堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年06月29日 08時15分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8438.39▼34.01

<NASDAQ>1838.22△8.68

<為替:NY終値>95.16-95.22

個人消費の回復懸念からダウは軟調、ハイテク銘柄の好決算に引っ張られてナスダックは堅調

 朝方発表となった5月の個人消費支出は予想通りでしたが、貯蓄率の増加が見られ、景気対策の効果が個人消費を増加させるところまで行っていないとの見方が広がり、前日の大幅高の反動もあって軟調となるものが目立ちました。消費者態度指数は予想を上回ったのですが、週末の手仕舞い売りもあって、相場全体を押し上げる動きにはなりませんでした。原油価格の下落が石油株の下落につながり、ダウ平均は軟調となりました。指数は軟調となり、個人消費への懸念もあるのですが、全体としては底堅い印象です。

 好材料や悪材料への反応も敏感に反応したり、鈍感に反応したり、そのときの雰囲気で影響の度合いがちぐはぐとなっているような感じです。強弱感が入り混じっているということなのですが、個別企業の業績も底入れ感が出始めており、もう一息、経済指標、特に雇用や個人消費の指標に好転が見られればもっと楽観的な見方になってくるのでしょう。逆に楽観的な見方が増えてこないと景気の回復は見られても株価の上値が重い状況は変わらないのでしょう。経済指標の発表に株価が右往左往することもまだまだありそうです。

 個別には3−5月期の決算発表で売上高が予想を上回り大幅高、アップルやリサーチインモーションなども高く、ハイテク銘柄が買われ、ナスダック指数を押し上げる要因となりました。ボーイングは発注減が伝えられて大幅下落、赤字拡大が発表されたマイクロンテクノロジーが安く、一株損失が予想を上回ったKBホームが大幅安となりました。原油価格の下落を受けてエクソンモービルやシェブロンが軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は堅調な展開となりました。米国株が大幅高となった割りには上げ幅は少なかったのですが、為替が円高基調にあることや前日の大幅高の反動もあったこと、また、週末の持高調整の動きがあったことを考えると、しっかりとした相場展開と考えて良いものと思います。外国人も買い越しとなり、持高調整の売りも一巡したことでしっかりと上値を試すことになったものと思います。

 米国市場はまちまちとなりましたが日本市場は月末を意識して堅調となるのではないかと思います。米国でハイテク銘柄が買われましたが為替が円高に振れたことから輸出関連銘柄は上値が重くなりそうです。ただ、持高調整などに押されていた銘柄や内需関連銘柄の出遅れ感が強いものは戻りも期待されます。

 9500円の下値を確認し今週は再び10000円の心理的な節目を目指すことになりそうです。とりあえずは9800円の節目を固める動きからとなりそうですが、今度は10000円を抜けると達成感が出ると言うよりは10000円台を固める動きとなるのでしょう。ただ、目先的な過熱感もあることから、調整となる可能性もありますが、その際にも9800円のサポートを保てるか、許容範囲とされる9700円で下げ止まるかが注目されるところです。

本日の注目点

◇5月の鉱工業生産指数速報(経産省)

◇5月の商業販売統計速報(経産省)

◇5月の自動車生産・輸出実績(自工会)

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