アレもコレも心もとない……日本経済の弱点は?藤田正美の時事日想(2/2 ページ)

» 2009年06月29日 07時43分 公開
[藤田正美,Business Media 誠]
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存在感に乏しい日本経済

 この記事は、まったくの的はずれと思う読者もおられるだろうが、この記者の言う通りだと思える業界もないではない。例えば、数年前に談合で挙げられた鉄骨橋梁業界。たしか40社以上が業界にひしめきあって、公共事業を分け合っていた。今では合併再編で多少事情が変わっているとは思うが、製薬産業などは日本国内で200社以上もあった。薬価という「公定価格」に守られていることも多すぎる会社が存在する1つの理由である。

 エコノミスト誌が取り上げた携帯電話なども、もともと電電ファミリなどと呼ばれて、NTTの前身である電信電話公社の時代から仲良くシェアを分け合ってきた“名残”とも言える(そのおかげで、日本の携帯電話はすっかり内弁慶になり、海外ではまったく存在感がない)。

 日本の社会がもっと競争的な社会になり、そこから活力が生まれるというのは、原則的に正しいと思うが、景気が悪いときにその原則を適用するのは難しい。あまりにも痛みが大きいからである。しかしこれから景気がそうよくならないとすると、日本がもう一度産業のリストラクチャリングを実行して、世界経済で存在感を示すことができるようになるのかどうか、はなはだ心もとないのである。

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