前日の大幅高の反動や週末の手仕舞い売りもあって上値は重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年06月26日 15時49分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9877.39円 △81.31円
売買高 19億1825万株
日経平均先物 9900円 △110円
売買代金 1兆3989億円
TOPIX 926.80 △7.03
値上がり銘柄 1199銘柄
東証マザーズ指数 435.80 △1.32
値下がり銘柄 365銘柄
日経ジャスダック平均 1183.32円 △6.45円
変わらず 134銘柄
騰落レシオ 130.40% △7.99%

日経平均

米国株高を受けて買い先行となるも前日の大幅高の反動や週末の手仕舞い売りもあって上値も重い

 米国株が大幅高となったことや外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたこともあり、買い先行の始まりとなりました。ただ、前日の大幅高で米国株の上昇を織り込んだ格好となっていたことなどもあり、先物もシカゴ市場(CME)の終値よりもかなり安い水準で寄り付き、上値も限定的となりました。週末と言うことで手仕舞い売りもかさみ、上値の重さが確認されると見切り売りを急ぐ動きもあって、一時軟調となる場面もありました。さすがに節目と見られる9800円水準では底堅さも見られるのですが、終始上値の重い展開が続きました。

 後場に入ると持高調整の売り一巡感もあり、買い直すような動きから底堅く、底堅さが確認されると先物にまとまった買いも見られて前場の高値を抜ける場面も見られました。それでも、依然として週末の手仕舞い売りやヘッジ売りも多く、戻りも限定的となりました。先物や主力株にはまとまった買いも散見されるのですが、追随して一気に買い上がるような動きにはならず、ヘッジ売りなどをこなしながらじりじりと値を上げる展開となり、堅調ながらも上値の重い展開は最後まで続きました。

 小型銘柄も堅調なものが多かったのですが、主力銘柄同様に戻り売りも多く上値の重い展開となりました。東証マザーズ指数、二部株指数、日経ジャスダック平均は揃って堅調となりました。先物は散発的にまとまった買いは見られたのですが追随する動きも限定されており、大きな動きになることはほとんどありませんでした。それでも戻り売りや目先筋の売りをこなしながら最後まで買いも入り、指数を押し上げる要因となりました。

 週末と言うことで持ち高を持ちきれないのですが、売り急ぐ動きもなく、一方で為替の動きなども気になるところでヘッジ売りもかさむ、と言った状況で上値の重い展開となりました。それでも昨日に続き堅調となりました。9500円を下値に上値は10000円までの動きが続くという見方も強まっており、週末と言うこともあり、10000円に近いところまでは買い上がり難いということなのでしょう。目先的な過熱感はまだ強く、10000円を抜けたところでまた達成感も出ると見られますが、今度10000円を抜けると10000円台を固めるような動きになるものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 基準線や節目と見られる9500円の水準(=昨年11月の高値水準)をでしっかりと下げ止まったことが確認されました。RSIはまだ下げ足りないのですがストキャスティックスは底値圏からの反発を示しており、戻りを試す展開となりました。転換線もあっさりと抜けたことで、今度は転換線のサポートを確認しながら高値更新を窺うということになるものと思います。ただ、逆に見ればまだ今週月曜日の高値も抜け切っておらず、週初からその水準を抜けてこないとまだ調整が続くことになってしまうかもしれません。

TOPIX

NYダウ

 日経平均同様に転換線を抜けて来たことで、基準線でサポートされて強含みであることが確認されたものと思われます。ただ、ローソク足の形が「首吊り足」と言うような格好にも見え、週初に高く寄り付いてこないと再び下値を確認することになるのかもしれません。ストキャスティックスは底値圏からの反発を示唆しているのですが、RSIはまだ下値余地もあり、日経平均もそうなのですが、今週月曜日の高値も抜け切っていないのでもう一段上昇とならないとまだ高値を窺う展開にはならないのかもしれません。

円相場

NYダウ

 遅行線が日々線に絡みながら下値を探る状況には変わりありません。日々線は戻り歩調にあるのですが、雲や基準線に上値を押さえられています。ここから日々線が雲に上値を押さえられて調整が続くのか、遅行線が日々線にサポートされながら上昇、日々線も雲の中に入って戻りを試すことになるのか、正念場となっています。RSIには下値余地はあるものの水準は低く、基準線も底値圏からの反発を示唆しており、戻りを試すことになるものと思います。

銘柄ピックアップ

売られすぎ銘柄を中心にしっかりとした展開

ブリヂストン(5108) 1520 △119

 25日の引け後に2009年1月〜6月期の連結業績予想の上昇修正を発表、好感する買いが入り大幅高となりました。株価の出遅れ感もあったことから大きな上昇となりました。

日電硝(5214) 1054 △62

 25日の引け後に従来予想を大きく上回る、2009年4月〜6月期の連結経常利益予想を発表。今週は調整となっていただけに大幅上昇となりました。

日風開(2766) 446000 △24000

 次世代送電網「スマートグリッド」関連事業に参入すると報じられ、事業の拡大を期待する買いが入り大幅高となりました。同社の蓄電技術などを評価する動きとなったものと思います。

新日石(5001) 570 △17

 イラク南部で油田の開発権益を獲得することでイラク側と最終調整に入ったと新聞で報じられ、原油の安定的な調達に対する期待が高まり、大幅高となりました。

スズキ(7269) 2195 △115

 不振を極める自動車メーカーのなかで5月の海外生産が唯一前年同月比でプラスとなったことに加え、独大手自動車会社からの出資報道があり、好感する買いが入り大幅高となりました。

太平洋セメ(5233) 171 ▼2

 割高感がないことから投資判断の変更はないが、国内セメント需要の低迷で会社側計画の達成が困難とする外資系証券のレポートが取りざたされ、見切り売りに押されて軟調となりました。

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