前日の大幅下落の反動から堅調だが持高調整の売りは続き上値も重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年06月24日 15時52分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9590.32円 △40.71円
売買高 21億1460万株
日経平均先物 9570円 △30円
売買代金 1兆4874億円
TOPIX 902.46 △0.77
値上がり銘柄 816銘柄
東証マザーズ指数 428.08 ▼0.36
値下がり銘柄 750銘柄
日経ジャスダック平均 1169.94円 △2.63円
変わらず 134銘柄
騰落レシオ 112.75% ▼4.04%

日経平均

前日の大幅下落の反動から堅調だが持高調整の売りは続き上値も重い

 米国市場は軟調となりましたが、前日の大幅下落の反動や外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたことなどから買い先行の始まりとなりました。ただ、前日の大きな下落要因となっていた持高調整の売りは続き、寄り付きの買いが一巡した後は上値の重い展開となりました。上値の重さが確認されると目先筋の見切り売りもかさみ軟調となりました。

 昼の間に為替が円安に振れたこともあって、後場も買い先行となりました。ただ、前場同様に寄り付きからの買いが一巡すると積極的に買い上がるだけの材料に乏しいなかで戻り売りや持高調整と見られる売りが見られ戻りも限定的となりました。それでも前日と同様に後場に入るとむきになって売り叩く動きもなく、堅調な水準でもみ合いとなりました。結局、最後まで9600円を挟んでの動きは続き、堅調ながらも上値の重い展開となりました。

 小型銘柄は前日の下落が限定的となっていたこともあり、堅調ながらも戻りも鈍くなりました。東証マザーズ指数は小幅安、二部株指数や日経ジャスダック平均は堅調となりました。先物は朝方は買い戻し中心にまとまった買いも見られ、後場も寄付きからしばらくはまとまった売り買いも見られたのですがその後は積極的なまとまった売り買いはほとんどなく、指数を動かすようなこともありませんでした。9500を下押すような売り方も見られず、底堅い展開でした。

 前日の下落の割りに戻りは鈍く一時軟調となる場面もあったのですが、さすがに目先筋の買い戻しもあって堅調となりました。昨年の10月に安値をつけてから、戻り相場でも上昇のきっかけと理由を見つけるのが大変なことも多かったのではないかと思います。大きな下落のときもそうですが、特に理由もなく大きく下げたり上げたりと、目先の需給に振らされる度合いが増えているような気がします。それでも景気回復とまではいかないまでも底入れが確実視されるところでは、強含みの展開が続くものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 基準線まで戻り切らず、基準線に上値を押さえられた格好ですが、基準線の水準で下げ渋っているとも考えられます。節目と見られる9500円を意識して底堅さは見られるます。ただ、ストキャスティックスは底値圏に近いものの、RSIがまだ下げ足りず、まだ上値の重い、戻りの鈍い状況が続き下値の底堅さを確認するような展開になるものと思います。

TOPIX

NYダウ

 基準線が上昇したことで、基準線に上値を押さえられるような形となりました。それでもまだ1月高値水準(900)の節目を何とか保っており、ストキャスティックスも底値圏にあることからそろそろ反発となるのかもしれません。RSIが下げ足りないのでRSIが底値圏になれば反騰となって来るのでしょう。

円相場

NYダウ

 遅行線が日々線に絡みながら下値を探る展開となっています。基準線に上値を押さえられたような格好となっており、弱含みの世に見えますが、RSIやストキャスティックスが底値圏になり、遅行線が日々線と「底−底」一致の日柄(あと2〜3日です)までには、反発となってくるものと思います。

銘柄ピックアップ

売られすぎの資源株やディフェンシブ銘柄の一角が高い

昭和シェル(5002) 1043 △60

 原油価格が上昇したことに加え、サウジアラビアの国営石油会社と共同で太陽光発電事業に参入すると報じられ、業績拡大を期待した買いが入り大幅高となりました。

パナソニック(6752) 1290 △23

 目先的に売られすぎた感が強いことに加え、外資系証券が投資判断を引き上げたことを好感する買いが入り、家電株が全般的に軟調となるなかで、堅調となりました。

東製鉄(5423) 1183 △53

 世界の鉄鋼メーカーの中で最もキャッシュが潤沢であり、リスクに強いことに加え、自動車や家電製品の分野でシェア拡大が期待出来るとして外資系証券が買いの投資判断でカバレッジを開始、買い推奨リストに入れたことを好感して買われ、大幅高となりました。

メガチップス(6875) 2190 △170

 ゲーム機偏重からの脱却で業績の伸びが期待出来るとして国内証券が新規に買いで投資判断を開始、手掛かりに乏しい相場の中で値動きの良さも好感されて大幅高となりました。

大阪チタ(5726) 3430 ▼200

 米ボーイング社が新型機の初飛行を延期したと報じられ、材料であるスポンジチタンを生産していることから連想で目先筋の売りに押されました。

三井不(8801) 1538 ▼40

 特に大きな売り材料が出たわけでもないのですが、買戻し一巡ということに加え、持高調整の売りがかさんで軟調となりました。

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