大幅下落の後だけに底堅いがFOMCを控えて戻り切らず清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年06月24日 08時16分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8322.91▼16.10

<NASDAQ>1764.92▼1.27

<為替:NY終値>95.18-95.24

大幅下落の後だけに底堅いがFOMCを控えて戻り切らず

 前日の大幅下落の反動や原油価格の上昇を受けて堅調な始まりとなりましたが、中古住宅販売や住宅価格指数が悪くはないものの期待されたほどではなかったことから、戻りも限定的、一部失望売りなどもあって軟調となりました。全般的に売られすぎの修正や買戻しもあったのですが、FOMC(公開市場委員会)での「出口戦略」を見極めたいと言う動きや業績悪化懸念などもあり、戻り切りませんでした。それでも、前日のような信用収縮懸念やリスクからの逃避の動きはなく、商品市況なども堅調となり、比較的落ち着いた相場展開となりました。

 原油価格など商品市況が売られ過ぎの反動や買戻しなどから堅調となったことで落ち着いた相場展開となりましたが、前日の大幅下落の割りには戻りきらない、反発力が鈍いという印象です。足元の景気動向も住宅関連の指標を見ても「悪くはないけど良くもない」と言うような感じであり、もう少し4−6月期の足元の景気動向、業績動向を見極めたいと言うことなのでしょう。楽観的過ぎてもいけないのではないかと景気回復期待は強いものの、強気になり切れず、悪材料に敏感に反応してしまうということなのではないでしょうか。

 個別には新型旅客機の初飛行延期から業績下振れ懸念が取りざたされてボーイングが大幅下落、商品市況は反発となったもののまだ戻りも本格的ではないということでアルコアやスリーエムなど素材関連銘柄が安く、住宅指標も期待したほどではなかったことからホームデポは軟調となりました。一方、前日の大幅下落の反発からJPモルガンチェースやバンクオブアメリカなど金融株が高く、投資判断の引き上げのあったモトローラも買われ、ディフェンシブ銘柄としての側面などからAT&Tなど通信株も堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国市場の大幅下落や円高を受けて大幅下落となりました。ディフェンシブ銘柄や材料株の一角は堅調となりましたが、輸出関連銘柄や内需株など業種を問わずほぼ全面安となりました。世界景気の回復が遅れるとの懸念が取りざたされていましたが、6月決算のファンドの持高調整にそういった景気見通しの悲観的な見方に慌てて売り急ぐ動きがかさなり、大きな下落となったものと思われます。商品市況が軟調なことや円やドルが強含みとなっているところを見ると、信用収縮懸念からリスク許容度が低下したことで、売りがかさんだ面もあるものと思います。

 米国市場は底堅いながらも戻り切らずもみ合いとなりましたが、日本市場は前日の大幅下落の反動から堅調な展開となって来るのではないかと思います。特に何がどうしたということでもなく、過熱感の調整や持高調整の売りに押された感が強く、持高調整の売りが一服となれば、買戻しなども入って来るものと思われます。商品市況や対ユーロなどで円安となったことなども信用収縮懸念が一服となる可能性が高く、売られすぎ銘柄の修正などから堅調な展開が期待されます。

 持高調整の売りが出ていても、今の段階では9500円水準という節目より下のレベルでむきになった売りは出にくいのではないかと思います。9500円を割り込むと一気に9000円近くまで下落となる可能性はあるのですが、昨日も9500円は何とか保ったことで、9500円近くになれば買いも入って来るのでしょう。今度は9500円水準での下値を確認した後もう一度10000円を目指す展開となるのではないかと思います。持高調整の売りが一巡したのであれば、本日は昨日の下げ幅の半分くらい、9700円水準まで戻しても良いのではないかと思います。

本日の注目点

◇月例経済報告

◇6月の金融経済月報(日銀)

◇1−3月期の資金循環統計速報(日銀)

◇5月期決算:コーセル

◇バーナンキ米FRB議長が講演(ワシントン)

◇5月の米消費者物価指数

◇1−3月の米経常収支

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.