コラム
» 2009年06月23日 07時00分 UPDATE

松田雅央の時事日想:安いワインは手に入るが……割高な「ビオワイン」を好む理由 (1/2)

ワインの産地として有名なドイツ・ファルツ地方。高級ワインの産地ではないため知名度こそ低いが、「ワイン醸造農家」が多い。筆者の松田氏はそこでワインを試飲し、あることが見えてきたという。それは……?

[松田雅央,Business Media 誠]

 ライン川上流、ドイツ・ファルツ地方は国内有数のブドウ産地、そしてワインの産地として知られる。元々、高級ワインの産地ではないため国際知名度こそ低いが、品種改良や醸造技術の進歩により「ファルツワイン」の品質は向上し、評価も着実にアップしている。

 丘に上ると見えるのは一面のブドウ畑と点在する村。この地域の主要産業はワインと観光であり、ワインの村を結んだ「ドイツ・ワイン街道」もこのあたりを走る。これらの村にはブドウ栽培とワイン醸造を手掛ける「ワイン醸造農家」が数多くあり、店舗を構えて自ら販売する農家も少なくない。先日、ワインをまとめ買いする友人に誘われ、そんなワイン醸造農家でワインの試飲を楽しんできた。

yd_matu1.jpg ファルツ地方の村とブドウ畑

ワイン醸造農家ゼーバー

 友人ご用達のワイン醸造農家ゼーバーは13ヘクタールのブドウ畑で20種類ほどのブドウを栽培し、醸造・瓶詰め・出荷まで自ら行っている。ワイン醸造マイスターのオーナー、奥さん、大学でワイン醸造技術を学んだ息子さん、そして数人の季節労働者をつかう家族経営だ。

 小売店への出荷とは別に土曜日だけは小売をしており、我々が着いた時も2組ほどの客がワインを試飲していた。客は次々と注がれるワインをテースティングし、ワインリストを見ながら気に入った銘柄をチェックしてゆく。酸味、甘み、香り、力強さ、渋みなど、オーナー夫妻の意見を聞き楽しく会話しながらの試飲である。同じブドウの種類から作ったワインでも年によって味が違うため、ゼーバーのワインをよく知る馴染みの客も、毎年、一通り試飲して好みの銘柄を探す。

 友人は年に1回か2回ここを訪ね、お気に入りのワインを30〜40本をまとめ買いする。価格は安いもの(2008年産リースルーング白ワイン、1リットルビン)で3.3ユーロ、高いもの(2003年産デュンケルフェルダー赤ワイン、0.75リットルビン)で11.9ユーロ。同じものを小売店で買えば2〜3割高いはずだ。

 なお、ゼーバーでは数十年寝かせるような高級ワインは造っていない。1960年代のワインもあるにはあるが、残念ながらおいしくないそうだ。そういった高級ワインを造るには、それに適した種類のブドウを用い、貯蔵に細心の注意を払い、定期的にコルク栓を交換する必要がある。つまり、ブドウ栽培時から数十年以上先のことを考え、手間と時間と資金を投資して計画的にワインを造らなければならない。

yd_matuda2.jpg ワインの試飲風景
yd_matuda3.jpg ワイン醸造農家ゼーバーのオリジナルグラスに注がれた赤ワイン
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