規制強化と格下げで金融株が売られ、ダウ平均は軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年06月18日 08時26分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8497.18▼7.49

<NASDAQ>1808.06△11.88

<為替:NY終値>95.73-95.79

規制強化と格下げで金融株が売られ、ダウ平均は軟調

 朝方発表された消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、金利上昇懸念は薄れ、値ごろ感からの買いも入って堅調となる場面もあったのですが、金融規制改革案の発表や銀行の格下げなどから金融株が売られてダウ平均は軟調となりました。一方で投資判断の引き上げなどに反応してハイテク銘柄の一角が高く、ナスダック指数は堅調となりました。引き続き、ダウ平均の8500ドル水準やナスダック指数の1800と言う水準では下げ止まっている格好ですが、疑心暗鬼な相場となっています。

 金融機関に対する規制強化が嫌気される格好となりましたが、根底には昨年来の「金融不安」があると思います。金融機関に対する懸念が依然として根強いということなのでしょうが、実体経済や雇用に明るさが見えればそれらへの懸念も払拭されるものと思います。金利上昇に対する懸念も薄れたことで、再び個人消費や雇用の回復に対する期待も出てくるのではないかと思います。景気底入れは確認しつつあるので、後もう一息回復の糸口でも見えれば株価も再び上昇してくるものと思います。

 個別にはJPモルガンチェース、バンクオブアメリカ、ゴールドマンサックスなど金融株が軒並み軟調、ウェルズファーゴは大幅安となりました。発表された利益見通しが予想を下回ったことでフェデックスが売られ、UPSなど同業他社も連れ安となりました。一方、投資判断の引き上げのあったクアルコムや決算を発表したアドビシステムズが堅調となるなどハイテク銘柄は総じて堅調、ナスダック指数を支える格好となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株が大幅安、為替は落ち着いてはいたものの朝方は円高方向に振れ、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も売り越しと伝えられたのですが、寄付きからまとまった売り買いが散見されるなど持ち高調整と見られる買いもあって堅調となりました。値ごろ感からの買戻しや出遅れ銘柄を物色する動きも見られ、指数を押し上げたものと思われます。

 相変わらず米国市場はもたついた展開となりました。為替が円高に振れたことや昨日も米ハイテク銘柄の上昇を先取りするような展開になっていたことから、日本市場は上値の重い展開となりそうです。戻りを試すにはまだ調整不足ということになるのではないかと思います。一方で、原油価格が反発となったり、半導体受注や電子部品の市況改善の兆しも見られ、売り込み難いところでもあり、底堅さも見られるのでしょう。対ユーロなどでも円高一服となっており、為替動向に振らされる展開となるのかもしれません。為替動向に振らされながらもハイテク銘柄の一角や出遅れ銘柄などが個別に物色される展開となり、商社株などの反発もそろそろ期待してもいいのかもしれません。

 日経平均の9700円から800円水準での押し目を固めるような展開となりそうです。円高に振れていることなどやまだまだ過熱感が強いことから、すぐに10000円回復というよりは10000円に近づくと戻り売りに押されるということになりそうですが、逆に下値も底堅さは見られるのではないかと思います。当面、9500円から10000円の動きと見ておいてもいいのかもしれません。本日は為替の動向と業績改善期待などの綱引きで動き難く、個別に物色されるような格好で指数は小動きながらも底堅い、堅調な展開となのではないかと思います。

本日の注目点

◇5月の粗鋼生産速報

◇3−5月期決算:スリーエフ、平和堂

◇ガイトナー米財務長官が下院公聴会で証言

◇欧州中央銀行定例理事会(フランクフルト)

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