インタビュー
» 2009年06月17日 08時00分 UPDATE

“週刊誌サミット”番外編・元木昌彦氏に聞く:週刊誌は“本丸”を突いているのか? タブーに挑戦しない体質(後編) (2/2)

[土肥義則,Business Media 誠]
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総合週刊誌は金属疲労を起こしている

――もし元木さんが雑誌を作るのであれば、どのような雑誌を作ってみたいですか?

 今の総合週刊誌といった形は、“金属疲労”を起こしているのかもしれない。つまり賞味期限が切れかかっている感じだ。ただ週刊誌ジャーナリズムに特化するから「つまらない」というのではなく、面白くてためになるジャーナリズムを作っていかなければならないと思う。

 総合週刊誌というのは日本が貧しかった時代に、1冊でいろいろなジャンルのものが掲載され、娯楽として優れた形を作ってきた。しかし今は総合週刊誌は、読者のニーズに合わなくなってきた。ジャーナリズムを扱うからといって難しいテーマばかりを追いかけるのではなく、例えば政治家のスキャンダルを追いかけることも立派なジャーナリズムだと思う。

 なんでもかんでも取り上げるといった形より、もっと特化した方がいいのではないか。いろいろ取り上げれば内容が薄くなり、読者に「週刊誌ってこんなものか」と思われるかもしれない。信頼性を回復するためには、専門に特化した雑誌が良いのではないだろうか。

 週刊誌の部数は減少したが、まだそれなりに影響力は持っている。新しい雑誌を作っても、20万部〜30万部を売ることは難しい。なので、今ある週刊誌を何とか消さないように頑張ってほしい。その中で次の時代に合うような、新しい形の雑誌を作り出す必要があるだろう。

 編集長と読者……両者が話すことができる場を設けることも大切だと考えている。そうすることで読者は「この編集長……しっかりした考え方をしているな」「こういう考えで雑誌を作っているのか」と感じるかもしれない。しかし現在の状況は、編集部側が一方的に情報を流しているだけ。そして読者は書いたものを読むだけ。そうではなく、編集長はどんな顔をしていて、どんなことを考えているのか。読者はそういったことを考えながら、「週刊誌を読む」ことも必要ではないだろうか。

週刊誌の部数の推移(単位:万部、出典:週刊誌サミット資料)

雑誌名 1990年 1995年 2000年 2005年 2008年
週刊朝日 45 39 32 22 17
サンデー毎日 25 21 13 9 7
週刊アサヒ芸能 33 31 22 18 12
週刊新潮 54 53 52 52 44
週刊現代 56 73 65 50 26
週刊文春 63 68 64 58 51
週刊ポスト 70 84 66 45 30
週刊大衆 23 26 36 24 21
週刊プレイボーイ 68 51 42 34 22
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元木昌彦氏のプロフィール

1945年11月24日生まれ、1966年早稲田大学商学部入学。1970年講談社に入社し、『FRIDAY』(1990年)と『週刊現代』(1992年)の編集長を務める。

2007年2月から2008年6月まで「オーマイニュース日本版」で編集長。現在は上智大学や法政大学などで、「編集学」の講師を務める。


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