円高や米国株安を嫌気し、手仕舞い売りがかさんで大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年06月16日 15時58分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9752.88円 ▼286.79円
売買高 26億4999万株
日経平均先物 9770円 ▼270円
売買代金 1兆8359億円
TOPIX 914.76 ▼32.06
値上がり銘柄 93銘柄
東証マザーズ指数 425.19 ▼7.88
値下がり銘柄 1590銘柄
日経ジャスダック平均 1161.88円 ▼10.32円
変わらず 18銘柄
騰落レシオ 120.59% ▼5.66%

日経平均

円高や米国株安を嫌気し、手仕舞い売りがかさんで大幅下落

 米国市場が大幅下落となったことや円高に振れたこと、などから売り先行となりました。大幅安と言う水準で始まった後も円高が止まらず、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しと言う事もあり、散発的なまとまった先物への売りもあってほぼ全面安となりました。ディフェンシブ銘柄の一角に堅調なものは見られるものの、過熱感や達成感もあり、利益確定売りや見切り売りを急ぐ展開となりました。

 後場も一段安となりました。昼の間に円高がが進んだことや米国の格下げなどの話題もあり、見切り売りがかさみ、損失確定のための売りと見られるまとまった売りなども散見され、先物主導で下げ幅を拡大する展開となりました。それでもさすがに節目と見られる9800円を下回るところからは売り急ぐ動きも少なく、底堅い一面も見られました。日経平均が10000円を超える過程で買い戻しが一巡となった感もあり、買戻しを急ぐ動きも限られて指数を下支える動きにはならなかったようです。最後まで見切り売りが続き、安値引けとなりました。

 小型銘柄も手仕舞い売りや過熱感を嫌気して売り急ぐ展開となりました。それでも主力銘柄が先物主導で大きく値を崩す中で底堅いものも見られ、日経ジャスダック平均は軟調、東証マザーズ指数、二部株指数は大幅安ながらも日経平均などに比べると下げも限定的となっていました。先物は朝方からまとまった売りが断続的に見られ大きく指数を下押す要因となりました。後場なかごろからは散発的な売りに加え、買戻しも見られ底堅さは見られ小動きとないましたが、戻りも限定的となり、指数の底堅さはありませんでした。

 米国株以上に大きな下落となりました。昨日の下落で、指数の下落はある程度織り込まれているのかと思ったのですが、それ以上に見切り売りなどもかさんだようです。米国の格下げやカリフォルニア州の厳しい財政状態が取りざたされていましたが、あとからとってつけたという印象もあり、現物株での利益確定売りもさることながら、先物でのヘッジ売りなども多かったものと思われ、日経平均が心理的な節目である10000円を越えたことでの達成感や目先的な過熱感が下げ幅を広げたものと思われます。9500円水準を下回ることがなければ、トレンドが崩れたとは思われず、何とか9700円から800円の節目は保ったことで、米国市場次第ということなのでしょうが、瞬間的な売られすぎの反動も期待できそうです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 先々週から先週にもみ合った水準まで下落となりました。転換線でサポートされるかと思われましたが、目先的な過熱感が強かったこともあり、一気に転換線を割り込んでしまいました。RSIもストキャスティックスも高値圏からの調整となっており、基準線のサポートを確認するような調整となって来るのかもれません。本日の引け値水準も節目であり、明日も陰線となって来るようであれば、調整が長引きそうですが底堅さが見られ、若干でも反発となってくれば9700円から800円水準でのもみ合いの中で日柄調整となるのでしょう。

TOPIX

NYダウ

 一気に転換線を割り込み、基準線を意識するようなところまで下落となりました。RSIやストキャスティックスは高値圏からの調整を始めたばかりですが、遅行線も日々線を意識するところでもあり、底堅さは見られるのではないかと思います。大きな値幅と言うよりは日柄での調整となるのではないかと思います。

円相場

NYダウ

 日本時間に入るまでは遅行線が日々線に上値を押さえられながらも日々線が雲の下限にサポートされて底堅い動きとなっていたのですが、日本時間でドルが軟調となったことで、遅行線が日々線に上値を押さえられながら下値を試す動きとなりそうです。日々線も雲を割り込んでしまうことになり、「三役逆転」となり、再び基準線を割り込んで一気に3月や5月の安値を窺うような場面もあるのかもしれません。

銘柄ピックアップ

ほぼ全面安の中でディフェンシブ銘柄の一角が堅調

大日住薬(4506) 824 △8

 2011年に統合失調症の治療薬を米国で販売すると新聞で報じられ、中長期の収益拡大期待から買われました。総じて売りが優勢となる相場のなかで上値も重いのですが、ディフェンシブ銘柄としての側面も評価され堅調となりました。

JR東日本(9020) 5950 △90

 円高や米国株が嫌気されて総じて軟調となるなかで逆行高となりました。ディフェンシブ銘柄として、出遅れ銘柄として業績の底堅さを見直す動きとなったもの思います。

NTT(9432) 3800 ▼130

 昨日の大幅高の反動もあって大幅下落となりました。為替の影響は少ないと見られてはいるのですが、利益確定売りを急ぐ動きで全体の地合いに押され軟調となりました。

住友化(4005) 418 ▼23

 汎用樹脂や合成ゴムの値上げを発表、収益悪化が改善され、好感されることになるのかと思われましたが、原材料高の厳しさを嫌気されて大幅下落となりました。

三井物(8031) 1192 ▼69

 深海掘削船のリース事業に乗り出すと報じられましたが材料視されず、原油や貴金属価格が下落してえいることや利益確定売りを急ぐ動きなどから、大幅下落となりました。

ファーストリテイ(9983) 12600 ▼20

 全般に利益確定売りや見切り売りがかさむなかで、前日の下落の反発や業績面で不安の少ない銘柄を物色する動きのなかで一時堅調となりましたが先物主導の下落のなかで「インデックス売り」に押されました。

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