景気指数の悪化や商品市況の調整を嫌気して大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年06月16日 08時33分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8612.13▼187.13

<NASDAQ>1816.38▼42.42

<為替:NY終値>97.8-97.86

景気指数の悪化や商品市況の調整を嫌気して大幅下落

 朝方発表されたニューヨーク連銀調べの景気指数は前月より悪化、予想も下回ったことから売り先行となりました。原油価格を筆頭に商品市況に調整感が出ていたこともあり、資源株の下落に景気敏感株の下落が加わり大幅下落となりました。目先的な過熱感が強く、1月の高値水準を意識するところまで上昇となっていたことの反動なども下落の要因となり、下げ幅を広げる要因となったものと思います。それでも下値の節目を意識するところでは売り一巡感もあり、買戻しや押し目買いも見られました。

 指数はダウ平均、ナスダック指数ともに節目と見られる水準、ダウ平均の8500ドル、ナスダック指数の1800という水準では下げ止まりました。ドルの下落も限定的となり、原油価格の下落もまだスピード調整と言う水準でもあり、これまでの戻り歩調が転換したというよりはスピード調整、となったものと思われます。値幅の調整は節目を意識するところまでではないかと思われ、今度は日柄の調整が必要ということなのかもしれません。まだ節目のサポートを確認するような場面もあるのかもしれませんが、センチメントにも変化はないものと見ておいてもいいものと思います。

 個別にはウォルマートは投資判断の引き下げがあり軟調、反対に投資判断の引き上げのあったヤフーは軟調な相場のなかで横ばいとなりました。格下げが伝えられたUBSは大幅下落、JPモルガンチェースなども軟調となりましたが、アメリカンエクスプレスは堅調と底堅い銘柄も見られました。原油価格の下落を受けてエクソンモービルやシェブロンは軟調、同様に貴金属相場が下落したことからニューモントマイニングやパブリックゴールドなど金鉱株も安くなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の大幅高の反動や目先的な過熱感、また週末の米国市場で半導体関連銘柄などが軟調となったことから、値がさハイテク銘柄などが安く、軟調となりました。それでも外国人も買い越し基調ということもあり、出遅れ銘柄を物色する動きから、値上り銘柄が値下り銘柄を大きく上回り、東証一部の1000銘柄以上が高いという状況で、底堅さも見られました。指数の割りにしっかりした相場展開でした。

 米国株が大幅下落となったことから、昨日に続き押し目を確認するような展開になるものと思われます。10000円と言う心理的な節目を割り込んでしまいそうですが、ディフェンシブ銘柄などの出遅れ感が強い銘柄の押し目買いなどでどこまで指数を下支えすることになるかが注目されます。資源関連の非鉄株や商社株、またハイテク銘柄や自動車株などの輸出関連銘柄は引き続き押し目を探る展開となりそうです。目先的な過熱感も強かったことから売り急ぐ場面もあるのかもしれません。

 心理的な節目となっている10000円は割り込みそうです。ただ、米国市場でもダウ平均もナスダック指数も節目と見られる水準は割り込んでおらず、今回の調整でも9700円から800円程度の水準では下げ止まるものと思います。最悪でも9500円前後の節目まで下がれば過熱感も薄れ押し目買いや買戻しを急ぐ動きとなって来るものと思われます。本日は10000円を割り込んだところで買戻しや押し目買いが見られるかどうかが注目されますが、戻り相場のトレンドは変わっていないものと思われ、10000円を割り込んだところではしっかりと買いも入って来るのではないかと思います。

本日の注目点

◇白川日銀総裁会見

◇5月の首都圏・近畿圏のマンション市場動向調査

◇5月の米住宅着工件数

◇5月の米卸売物価指数

◇5月の米鉱工業生産

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