投資判断の引き上げがあるものの、まちまちの展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年06月15日 08時19分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8799.26△28.34

<NASDAQ>1858.80▼3.57

<為替:NY終値>98.4-98.46

投資判断の引き上げや金利低下を好感するも芳しくない決算もありまちまちの展開

 原油価格の下落や前日の引け後に発表された半導体大手の決算が芳しくなかったことから軟調な始まりとなりました。午前中に発表された消費者態度指数も前月の確報値は上回ったものの予想にはとどかず、軟調となりました。ただ、長期金利が低下したことや投資判断の引き上げで金融株が買われ、ダウ平均は堅調、ナスダック指数は軟調となりました。ダウ平均も1月6日以来の水準となり、ますます底入れ感が強まって来ました。

 センチメントは悪くないのですが、今ひとつ経済指標も企業業績も景気回復を確信するとこまではいかないという感じです。ただ、底割れ懸念やさらなる金融不安が取りざたされることもなく、指標の好転や雇用不安の払拭されるのを待っているということなのでしょう。好調な企業業績や雇用や個人消費の底入れを示すような指標が出れば底入れ確認となるものと思います。

 個別には目標株価の引き上げが伝えられたバンクオブアメリカやマイクロソフトが高く、投資判断を引き上げたサックスも大幅高となりました。逆に投資判断の引き下げのあったALKスチールは軟調、原油価格の下落を受けてエクソンモービルなど石油株も安くなりました。前日の引け後に3〜5月の決算が赤字となったと発表したナショナルセミコンダクターが安く、連れてインテルなども軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場はSQ(特別清算指数)算出に絡む買いなどもあり、買い先行で始まった後も、外国人が買い越し基調と伝えられたことや週末の持高調整の買いが入り大幅高となりました。心理的な節目と見られる10000円を抜けて一気に上昇となりました。目先的な過熱感は強いのですが、買戻しを急ぐ動きもあり、指数を押し上げたものと思います。

 週明けの日本市場は過熱感が強いことや週末の大幅高の反動から上値も重くなりそうです。ただ、心理的な節目と見られる10000円をあっさりと抜けたことで、買い方の回転はますます効いており、利益確定売りをこなしながら上値を追う可能性も高そうです。出遅れ感の強い銘柄、昨年10月や11月、あるいは1月の水準を抜けていないような内需関連銘柄などに物色が広がれば一段高となってくるのでしょう。

 過熱感は強まり、RSIもストキャスティックスも高値圏になっています。騰落レシオもずっと過熱を示す120を超えたままですし、いったんは10000円の水準での底堅さを試す動きが出てもおかしくはないところです。ただ、節目と見られる水準は11000円水準までなく、しいて言えばいったんは10500円水準では上昇も止まると思われます。その場合でも10000円水準はサポートとなり、悪くても9800円程度までの調整となるのでしょう。いずれにしても9500円水準を抜けたことで底入れ確認となっており、強含みの推移となりそうです。

本日の注目点

◇日銀政策委・金融政策決定会合(16日まで)

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