米国株高やSQに絡み買い先行で始まり10000円を抜けたあとも、持高調整も買いも多く、大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年06月12日 15時16分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10135.82円 △154.49円
売買高 39億9746万株
日経平均先物 10140円 △120円
売買代金 2兆9562億円
TOPIX 950.54 △9.89
値上がり銘柄 1034銘柄
東証マザーズ指数 420.95 △7.00
値下がり銘柄 547銘柄
日経ジャスダック平均 1161.48円 △5.15円
変わらず 121銘柄
騰落レシオ 125.82% ▼1.51%

日経平均

米国株高やSQに絡み買い先行で始まり10000円を抜けたあとも、持高調整も買いも多く、大幅高

 米国株が堅調となったことやSQ(特別清算指数)算出に絡む売り買いも買い越しとなったことに加え、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も大幅買い越しと伝えられたことから買い先行となりました。買い気配を切り上げて始まるものが多く、SQ値は10000円を大きく上回る水準となりました。寄り付きの買いが一巡したあとも週末の持高調整の動きのなかで指数は底堅く、割安感の強い銘柄や売られていた銘柄などの押し上げもあり、小動きながらも堅調な地合いとなりました。

 昼の間に中国の経済指標の発表などもあったのですが、特に材料視されることもなく後場の寄り付きは前場に狭い範囲でもみ合いとなった水準での始まりとなり、しばらく底堅さを確認するようなもみ合いとなりました。その後先物にまとまった買いが入り前場の高値水準を抜けると買戻しを急ぐ動きなどもあって急騰、大幅高となりました。物色の柱は見当たらないのですが出遅れ感が強い銘柄、空売りが積み上がっていた銘柄などの持高調整の動きは続き、最後はさすがに手仕舞い売りなどもあって上げ幅縮小となりましたが10000円を大きく抜けて大幅高となりました。

 小型銘柄も好材料に敏感に反応しながら堅調なものが目立ちました。ただ、主力銘柄が大幅高となるなかで、物色の矛先は小型銘柄に向かい難く、東証マザーズ指数こそ大幅高となったのですが、二部株指数や日経ジャスダック平均などは堅調と言うに止まりました。先物は朝方からまとまった売り買いは散見されたものの方向感のない目先筋の売り買いが中心となっていました。後場に入ると断続的にまとまった買いも見られ、指数を押し上げる要因となりました。

 目先的な過熱感など何処吹く風ということで大幅高となりました。週末の持高調整のなかでの買い戻しも多かったものと思われますが、それにしても節目と見られる水準が10000円ではなく、9500円から600円水準であったことを裏付ける格好となったのではないかと思います。ここから10000円台を固めるような動きになるのでしょうが、割安感が強い銘柄、特に昨年11月の戻り高値水準まで戻っていないような銘柄などが物色されるようであれば、過熱感はあるものの指数は上値追いとなるのでしょう。物色対象が広がらなければ、いったんは過熱感を冷ますような動きになるものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 寄り付きから堅調となったことでしっかりと10000円に乗せ、高値更新となりました。ただ、移動平均線や基準線との乖離も大きく、RSIもストキャスティックスも高値圏にあり、過熱感が強いことから、いったんは「スピード調整」となって来る可能性もありそうです。取りあえずは心理的な節目である10000円台を固める動きか、転換線や基準線の水準までの調整もあるものと思います。

TOPIX

NYダウ

 RSIには若干上値余地もあるのですが、ストキャスティックスは高値圏にあり過熱感が強いことは否めません。いったんは上値の重い展開となるか、調整となって来るものと思います。移動平均線や基準線との乖離も大きく、いったんは転換線や基準線までの調整となってもおかしくはないところです。

円相場

NYダウ

 雲の中での動きとなっています。遅行線も日々線に上値を押さえられており、日々線が雲のねじれの日柄になるか、遅行線が日々線の急落となっている日柄になるまで(あと2〜3日)はこの水準でのもみ合いが続き、その後上下大きく動きが出てくるのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

出遅れ感が強いものや売られていたものも反発

三菱重(7011) 409 △18

 石油などに比べて比較的安価な石炭を燃料に使いながら二酸化炭素(CO2)を大幅に減らせる次世代型の石炭火力発電所をオーストラリアに建設すると報じられ、好感する買いが集まり、寄り付きから買い気配を切り上げて始まり、大幅高となりました。

エルピーダ(6665) 1142 ▼1

 台湾の半導体メーカーが同社の株式の10%を取得すると報じられ、好感する買いも入ったのですが、既に取得は決定されていたこともあり、上値を買い上がる動きにはならず上値の重さを嫌気する動きもあり、最後は小幅安となりました。

ケンタッキー(9873) 1692 △41

 2008年12月−2009年5月期の連結営業利益が前年比2.3倍となり、従来予想を上回りそうだと新聞で報じられ、大幅高となりました。

福山運(9075) 427 △24

 経営陣の危機感の強さや経費削減効果が予想以上であるとして外資系証券が投資判断と目標株価を大幅に引き上げたことから、大幅高となりました。

NTTドコモ(9437) 139700 △1900

 日経平均が10000円を超えてくる中で、これまでの戻りが鈍いことに加え、5月開始の有料携帯放送型サービスの会員数が記録的な出足となったと「買い継続」を大手証券が出したことから買戻しを急ぐ動きや持高調整の買いが入り堅調となりました。

東ソー(4042) 289 ▼7

 製品市況の下落や採算悪化が懸念され、今期営業損益も会社発表では黒字だが、赤字になるとの見方から外資系証券が投資判断を引き下げたことが嫌気され、大幅下落となりました。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.