週末の米国市場はまちまりでしたが、円安を好感して連日の年初来高値更新清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年06月08日 15時58分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9865.63円 △97.62円
売買高 23億1517万株
日経平均先物 9850円 △70円
売買代金 1兆5015億円
TOPIX 926.89 △10.33
値上がり銘柄 1070銘柄
東証マザーズ指数 405.91 △7.26
値下がり銘柄 492銘柄
日経ジャスダック平均 1140.75円 △11.76円
変わらず 136銘柄
騰落レシオ 138.62% △11.70%

日経平均

週末の米国市場はまちまりでしたが、円安を好感して連日の年初来高値更新

 週末の海外市場で為替が円安に振れたことなどから、輸出関連銘柄を中心に買い先行となりました。先週は比較的物色対象外となっていたハイテク銘柄などが買い直され、一方で外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が大幅買い越しと伝えられたこともあり、出遅れ銘柄を物色する動きもあり、ディフェンシブ銘柄や内需関連銘柄の一角も堅調となるなど全般的に堅調となりました。非鉄株や海運株など利益確定売りに押されるものも散見され指数の上値を押さえる格好となりました。

 後場に入ると手仕舞いの売り買いが中心で指数は方向感のない展開となりました。前場は引けにかけて利益確定売りに押されて上げ幅縮小となり、その地合いを引き継いだ始まりとなったものの底堅さが確認されると買戻しを急ぐ動きもあって、指数は小動きとなりました。最後まで一方向に買い上がる、あるいは売り叩くといった動きはなく、手仕舞いの売り買いが中心となっていたものと思われ、値動きに乏しい展開となりました。

 小型銘柄は出遅れ銘柄感が強いことや信用リスク懸念が薄らいだこと、幕間つなぎの一面などから引き続き堅調なものが多く、東証マザーズ指数、二部株指数、日経ジャスダック平均は揃って大幅高となりました。先物も朝方こそまとまった買いが見られ、指数を押し上げる要因となっていましたが、その後はまとまった売り買いは散発的に見られるものの追随して大きく方向感を出すような展開にはならず、上値も下値も限定されていました。

 最後は買戻しを急ぐ動きも多少見られましたが、今一つ年初来高値更新となっている割には盛り上がりに欠ける展開となっていました。買戻しばかりではなく出遅れ感が強い銘柄を物色する動きも見られるのですが、先駆した銘柄からの乗り換えと見られるものが多く、新たな資金がどんどん流入しているということでもなさそうです。買い方の回転が効いているので、何かきっかけがあれば一気に買い手が出てくる可能性もありそうです。目先的な過熱感がいったん冷めてからということになるのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 戻り高値更新ですが過熱感も強いところで上ヒゲ線となり、いったん高値となってしまう可能性も高いと思います。明日の寄り付きが軟調であればいったん調整、押し目を探る動きとなって来るものと思います。RSIには上値余地もあるのですが、ストキャスティックスは高値圏にあり、いったん転換線や基準線までの調整となるのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 先週火曜日の高値を抜けて、本来であれば強い展開が続いてもいいのですが、上ヒゲ線となったことで、明日の寄り付きが安いといったん高値となる可能性が高まりました。RSIもストキャスティックスも高値圏にあり、いったん転換線や基準線までの調整となって来るものと思います。

円相場

NYダウ

 一気に雲を抜けて来ましたが遅行線が日々線に上値を押さえられ、いったんは雲の上限に押される格好となるかあるいは遅行線が日々線に上値を押さえられつつ日々線が雲にサポートされるか、いずれにしても底堅いながらも上値の重いような動きでいったん戻り高値の位置を確かめるような動きではないかと思います。

銘柄ピックアップ

輸出関連銘柄ばかりでなくディフェンシブ銘柄も堅調

日揮(1963) 1609 △68

 買い気配で始まり、大幅高、年初来高値更新となりました。アルジェリアで天然ガス処理設備を約1500億円で受注したと報じられ、将来の収益拡大を期待する買いが入り大幅高となりました。

コマツ(6301) 1,560 △88

 新興国の景気底入れ期待から、業績回復が早まるとして大手証券など複数の証券会社が投資判断を引き上げたことから買いが入り、一時大幅高となりました。

ヤマダ電機(9831) 5300 ▼30

 次世代高速無線データ通信「WiMAX(ワイマックス)」のサービスを7月1日に開始、仮想移動体通信事業者(MVNO)として高速無線データ通信に参入すると報じられましたが特に材料視されず、週末の大幅高の反動もあり、軟調となりました。

日立(6501) 325 △8

 先週後半の下落の反動や円安を好感して反発となりました。「クラウドコンピューティング事業」や「スマート・グリッド」参入の話題もありましたが、特に反応したということでもなさそうです。

JR東日本(9020) 5520 △70

 相場全体の底入れ感が強まるなかで、先週4日連続下落となったことで出遅れ感を見直す買いや目先筋の買い戻しが入り堅調となりました。

コムシスHD(1972) 375 △5

 NTTの設備投資は減少するものの、費用軽減で業績上ブレ期待があるとして、外資系証券が目標株価を引き上げたことを好感、堅調となりました。

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