目先的な過熱感や米国株安を受けて軟調だが、買い気も旺盛で底堅い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年06月04日 16時10分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場が軟調となったことや目先的な過熱感が強かったことから軟調となりました。それでも買い気は旺盛で、押し目買いもしっかりと入り、一時堅調となる場面があるなど底堅い動きとなりました。指数も節目を抜けて底入れ確認となったことで、利益確定売りに押される場面では買戻しや押し目買いもはいり、また、買い方の回転も効いて物色銘柄の広がりも見られ、指数は軟調ながらも底堅い印象です。

 米国でも雇用に対する懸念が取りざたされているようですが、景気底入れ感はかなり強まり、底入れ確認と行きたいところなのでしょうが、今一つそこのところが気になるということなのでしょう。週末には米国で雇用統計の発表もあり、また、FRB(連邦準備理事会)などもまだまだ失業率が上昇するとけねんしているようで、完全に底入れ確認と言い切れないということなのでしょう。

 ただ、「ユニクロ」や「ABCマート」などの既存店売上高が前年比で増加したり、高速道路が割引になれば大渋滞となったり、また、「エコポイント」の効果で薄型テレビが売れたりと経済対策の効果が表れ、底入れ機運もかなり盛り上がっているのではないかと思います。生産調整や「派遣切り」も一段落となった感じでもあり、商品市況が上昇を続けるなどこれまでの上昇トレンドと同じような回転を始めているようにも見え、いたずらに弱気になることもないのではないかと思います。

 マスコミが煽るような格好で、景気底入れと騒ぎ立てて、溜め込んでいたお金を使うようになれば、個人消費の盛り上がりから企業業績も上向き、そして賃金が上がって消費が増えるという方向に向かうのではないかと思います。つまり、誰かが音頭を取って猫の首に鈴をつけに行くように消費に向かえば、そろそろタイミング的にも景気も盛り上がってくる時期ではないかと思います。バブルの再燃とまではいかないのでしょうが、「お金を貯める」ではなく、「お金を使う」ということが出来るようになって来るのではないでしょうか。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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