目先的な過熱感は強く、上値は重いものの底入れ感から底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年06月03日 16時51分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9741.67円 △37.36円
売買高 21億7598万株
日経平均先物 9760円 △50円
売買代金 1兆4352億円
TOPIX 914.50 △0.94
値上がり銘柄 830銘柄
東証マザーズ指数 402.00 △3.06
値下がり銘柄 715銘柄
日経ジャスダック平均 1120.95円 △3.36円
変わらず 154銘柄
騰落レシオ 122.21% ▼2.81%

日経平均

目先的な過熱感は強く、上値は重いものの底入れ感から底堅い堅調な展開

 米国市場が堅調となったのですが、目先的な過熱感が強いこと、また、為替も円高に振れたことなどから買い先行とはなったものの上値の重い始まりとなりました。それでも引き続き外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたこともあって、出遅れ感の強い銘柄や円高メリットのある銘柄などが買われ堅調となりました。ただ、さすがに目先的な過熱感は強く、ここのところ商品市況の好転を好感して買われていた非鉄株や商社株などが利益確定売りに押されて上値も重く、指数の上値も限定的となりました。

 後場に入ると円高を嫌気する動きや利益確定売りから輸出株の一角などが安く、指数の上値を押さえる一方で、前場に上値の重かった非鉄株や商社株が押し目買いや買い直す動きから堅調となるものが多く、指数は前場の高値を若干上回る水準まで戻りました。ただ、その水準を抜けて一気に買い上がるには材料不足、また、過熱感も強いということで最後は手仕舞い売りなどもあって上値を押さえられ、堅調ながらも上値の重い展開から上げ幅を縮小した引けとなりました。

 小型銘柄も堅調なものが多かったのですが、こちらも目先的な過熱感が強く、戻り売りや利益確定売りに押され上値も限定的となりました。それでも東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均、二部株指数は揃って堅調となりました。先物はまとまった売り買いは散発的に見られたのですが、追随する動きは少なく、大きく方向感を出すことはありませんでした。目先筋の売買に加え、過熱感からのヘッジ売りなどもあったようです。

 底入れ確認と見られたことから売り叩き難いようです。買い方の回転が効いているという感じで、買い方は利益確定売りを出したあとにも押し目買いや出遅れ銘柄を物色する動きとなり、売り方は手仕舞いの買戻しも早め早めに出しているという格好で、指数も底堅さが見られたものと思います。目先的には過熱感が強いのですが、3月から4月の上昇時のように買戻しが中心と言うよりはしっかりとした底入れを期待した、景気の回復を期待したような押し目買いも見られるようです。しばらくは割安銘柄の水準訂正などで強含みの展開が続くものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 前日の値幅の中でのもみ合いとなりました。引き続き明日の寄り付きが安く始まると「アイランドリバーサル」と言われるような調整局面となる可能性もありますが、予想以上に強いという印象です。ストキャスティックスは高値圏にあり、RSIも上値余地はあるものの高値圏にあって、いったん押し目を確認する可能性もありそうですが、転換線まで下がれば下げ止まるのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 高値圏でのもみ合いとなりました。日経平均と同様に昨日の値幅の範囲での動きであり、昨日の高値、安値をどちらに抜けて来るかで流れが決まりそうです。また、明日の寄り付きが高いか安いかで方向が決まってしまうのかもしれません。RSIには上値余地があるものの、ストキャスティックスは高値圏からの調整を示唆しており、上に抜けてきても高値は限定されてしまいそうです。

円相場

NYダウ

 遅行線が日々線に上値を押さえられ、日々線は基準線や雲に上値を押さえられています。RSIもストキャスティックスも上値余地は大きく、日々線が雲に上値を押さえられながら雲の上昇に合わせて強含みの推移となるものと思います。

銘柄ピックアップ

目先的な過熱感も強く上げ一服となるものが多い

ファーストリテイリング(9983) 11860 △280

 5月の既存店売り上げが引き続き大幅増となったことや都心部への積極出店を発表したことを好感して買われ、大幅高となりました。

コマツ(6301) 1475 △31

 世界的な景気底入れ感が強まり、商品市況が上昇を続けていることで建機需要も伸びると見られるところで、中国でのハイブリッド建機生産に乗り出すと報じられたことから厳しい業績も最悪期は脱したとの見方もあり堅調となりました。

KDDI(9433) 498000 ▼7000

 国際電話サービスの利用者4464人分のメールアドレスが流出したと発表し、内需関連銘柄として通信株や電力株などが総じて底堅いなか、乗り換え売りの対象となって軟調となりました。

タチエス(7239) 734 △88

 大手証券がコスト削減効果などから2010年3月期の黒字化の目処が付いたとして、投資判断と目標株価を引き上げたことに加え、株価の割安感もあったことから買いが集まり、大幅高となりました。

JFE(5411) 3240 ▼50

 ここのところの上昇の反動、利益確定売りに加えて、4月の国内鉄鋼メーカーの輸出実績が前年同月比30%減と発表されたことから売りがかさみ、軟調となりました。

日油(4403) 387 △25

 ゲル状のリチウムイオン電池の電解質材料を開発、2009年度中に販売を始めると伝えられたことから買われ、大幅高となりました。

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