住宅指標の好転を好感するも利益確定売りで上値が重い清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年06月03日 08時29分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8740.87△19.43

<NASDAQ>1836.80 △8.12

<為替:NY終値>95.74-95.8

住宅指標の好転を好感するも利益確定売りで上値が重い

 引き続き世界的な景気底入れ感やそれに伴う素材市況の好転などを好感する動きに加え、住宅指標が予想を上回ったことから堅調となりました。ただ、前日までの上昇の反動、利益確定売りに押され上値も重く、公的資金の返済目的で増資を発表した金融株が売られたことで指数も軟調となる場面があるなど伸び悩みとなりました。ただ、不安心理や失望感から売り急ぐような動きはなく、全般的に底堅い堅調な雰囲気でした。

 大手自動車会社の問題にケリがついたと見られることから売り要因がまた一つ消え、底堅い展開となっています。後は雇用への不安が払拭され、個人消費の底入れが確認でき、長期金利の上昇懸念が薄れれば再び上昇基調となって来るものと思われます。経済指標などはまだ一進一退でその都度一喜一憂となる状況には変わりないのでしょうが、ほぼ底入れが確認できつつあるということで、パニック的な売りはなりを潜めてくるのでしょう。ダウ平均が9000ドルで上値を押さえられてしまうのか、その節目を抜けて底入れ確認となるのか、週末の雇用統計の発表あたりで決まりそうです。

 個別には住宅関連指標の好転を受けてDRホートンなど住宅関連銘柄が高く、5月の新車販売台数が予想を上回ったことでフォードが堅調となりました。投資判断の引き上げを受けてコンチネンタル航空が高く、逆に投資判断の引き下げを受けてジュニパーネットワークスは軟調となりました。増資を発表したJPモルガンチェースやアメリカンエクスプレスが安く、指数の足を引っ張っていました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高などを受けて買い先行で始まり、一時大幅高となる場面もあったのですが、目先的な過熱感もあり、利益確定売りに押され上げ幅を縮小し小幅高となりました。ただ、節目を抜けたことでセンチメントは好転しており、買い方の回転も効いてくるところであり、堅調な展開が期待されます。

 米国市場が堅調なことから日本市場も底堅い堅調な展開が期待されます。寄り付きから安く始まるようであればいったん押し目を確認することになるのでしょうが、堅調な始まりとなれば、再び上値を試すことになるのでしょう。ただ、為替が円高に振れたことで指数に影響の大きな輸出関連銘柄などに利益確定売りや戻り売りが出ることは予想され、その分昨日上げ一服となった内需関連銘柄を物色する展開となるのかどうかが注目されます。騰落レシオなど目先的な過熱感が強いことを示す指標もあり、上値の重さが気になると昨日の後場のように利食い売りや目先筋の売りに押されてしまうのかもしれません。

 さすがに上値も重くなって来ましたが、基本的には9500円水準を割り込まない限り強気転換したと見ても良いものと思います。取りあえずは心理的な節目となって来る10000円を目指すことになるのでしょうが、景気底入れ感が強まり、株価の底入れ確認となったことから新規資金、新たな買い手が出てくる可能性も高く、いずれにしても底堅さは見られるものと思います。目先的な過熱感を冷ましながら上昇を志向するような循環物色となって来るのではないかと思います。

本日の注目点

◇バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言(ワシントン)

◇5月の米ISM非製造業景況感指数

◇4月期決算:伊藤園(2593)

◇2−4月期決算:ピジョン(7956)

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