<NYダウ>8721.44△221.11
<NASDAQ>1828.68△54.35
<為替:NY終値>96.54-96.6
大手自動車会社の破綻が発表されましたが、既に織り込まれているということで特に波乱もなく、かえって悪材料出尽くし感もあって、買い先行となりました。注目されたISM製造業景気指数も予想を上回り、順調な景気の回復を示しており、原油価格など、商品市況も引き続き高く、建設支出も予想に反して増加と好材料が相次ぎ大幅高となりました。まだ、雇用問題など懸念材料もあるのですが、取りあえずはほぼ景気底入れが確認されつつあるということで買い急ぐ動きもあったものと思います。
ダウ平均の8500ドルやナスダック指数の1800といった節目を一気に抜けて来ました。まだダウ平均の9000ドルと言う水準を抜けていないのですが、ダウ構成銘柄の破綻などを考慮すると実際に節目を抜けていると見ても良いものと思います。政府の収支への懸念もドルが底堅い、堅調なことを見ると懸念が薄れており、まだ雇用問題に懸念は残るものの少なくとも「最悪期は脱した」と言うことは言えるのでしょう。ダウ平均の8500ドルやナスダック指数の1800と言う水準を固める動きになるのかもしれませんが、いずれにしても強含みに推移して行きそうです。
個別には破綻が発表されたGM(ゼネラルモーターズ)は変わらず、ダウ平均採用銘柄から除外が決定したシティグループは軟調となり、連れてJPモルガンチェースやバンクオブアメリカなど金融株の一角が軟調となり、アルコアやデュポンといった素材株は大幅高となりました。ヒューレットパッカードやインテルといったハイテク銘柄も大幅高となりましたが、メルクやファイザー、コカコーラといったディフェンシブ銘柄は利益確定売りに押されて軟調となりました。
昨日の日本市場は節目を抜けたことを確認して大幅高となりました。米大手自動車の問題にけりがついたことや中国での景気底入れ感が一段と強まったことなどから、出遅れ感が強かった内需株や資源・エネルギー関連銘柄を中心に買われ、大幅高となりました。為替が円高となったわりにはハイテク銘柄なども底堅い堅調なものが多く、底入れ確認となって買い戻しを急ぐ動きもあったようです。
9500円と言う節目を抜けたことが確認できたことや米国株が大幅高、為替も円安と言うことで本日の日本市場も上値を試す動きとなって来そうです。出遅れ銘柄の水準訂正の動きはまだ続くものと思われますが、同時に目先的に円高を嫌気して動きの鈍かったハイテク銘柄や自動車株などの輸出関連銘柄の出直りも期待されます。引き続き原油価格が高いことも資源エネルギー関連銘柄の押し上げにも繋がって、全面的に水準を変えるような動きになって来るのではないかと思います。信用売りが多いような銘柄も買い戻しを急ぐ動きも出てくるのでしょう。
騰落レシオなどを見ると過熱感もあるのですが、節目と見られる9500円を抜けたことで次の節目を探すことになります。昨年10月の急落の水準であるので、節目らしい節目は11000円前後まで見られず、その水準を目指すことになるのでしょうが、とりあえずその前に心理的な節目である10000円を意識するところまでの上昇は見込めそうです。あと一つ二つ好調な経済指標の発表などが見られれば、いったん10000円前後で過熱感を冷ます動きになってもすぐに上値を目指すことになるのでしょう。
◇10年物国債入札(財務省)
◇5月のマネタリーベース(日銀)
◇6月見込みの日銀当座預金増減要因(日銀)
◇5月の米新車販売
◇4月のユーロ圏失業率
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