引き続き経済指標は強弱入り混じる結果だが、月末の買戻しで堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年06月01日 08時34分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8500.33△96.53

<NASDAQ>1774.33△22.54

<為替:NY終値>95.28-95.34

引き続き経済指標は強弱入り混じる結果だが、月末の買戻しで堅調

 朝方発表されたGDP(国内総生産)の改定値は予想より悪化、5月のシカゴ購買部協会景気指数は予想を大幅に下回り、消費者信頼感指数は予想を上回るなどまちまちとなりました。前日の大幅高の反動や大手自動車会社の破綻懸念が強まったことなどから軟調となる場面もあったのですが、商品市況が堅調なことや引け際に月末を意識した買戻しなどもあって、大幅高となりました。

 依然としてすっきりと経済指標の好転は見られないのですが、指数は強含みの推移となっています。大幅高とはなったものの、日本市場と同様に月末特有の目先的な需給の好転が見られたもので、節目と見られる8500ドルは抜けたものの、8500ドル水準で上値を押さえられたとも考えられることが少し気になります。この水準をしっかりと抜ければほぼ底入れ確認となるのでしょうが、もう一息といったところではないでしょうか。週明けの相場が引き続き大幅高となるようであれば、底入れ確認と考える向きも多くなるものと思います。

 個別には原油価格や貴金属など商品市況の上昇を受けてエクソンモービルやシェブロンといった石油株やニューモントマイニングなど金鉱株などが大幅上昇。世界的な景気底入れ期待からキャタピラーやメルク、コカコーラといった「国際優良銘柄」などに大幅高となるものが目立ち、IBMやグーグルなど、ハイテク銘柄も総じて堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高や朝方発表になった鉱工業生産指数が予想を上回ったことなどから買い先行となりました。ただ、節目と見られる水準では上値も重く軟調となる場面もあるなど小動きとなりました。ただ、週末の手仕舞いの売り買いが交錯するなかで月末の「お化粧買い」と見られる買いが入り、結局高値引け、わずかですが昨年11月の高値を抜け、節目を抜けた格好での引けとなりました。

 数字的には昨年11月の高値をぎりぎり上回ったことや米国株も大幅高となり、堅調な地合いが期待されますが、一方で日米株価が月末特有の目先的な需給で買われたということを考えると、本日の日本市場は上値の重い展開となりそうです。為替も円高に振れたことで輸出関連銘柄に利益確定売りが出ると指数の足を引っ張ることになるのでしょう。一方で原油など資源エネルギー関連や貴金属などの市況が上昇を続けており、これらの市況好転を期待した資源エネルギー関連銘柄や非鉄金属株などが物色されるのではないかと思います。

 日経平均は節目と見られる9500円を抜けかかって来ました。本日も大幅高となるようであれば一気に上値追いとなるのでしょうが、目先的な達成感が出てしまうのかどうかが注目されます。いったん節目を抜けても、今度はその節目を下値として固める動きになるものと思われ、目先的な過熱感を指摘する見方も出てきそうです。ただ、一方で「下がれば買い」と言う雰囲気になって来るものと思われ、下値も9300円前後では買いも入って来るのでしょう。

本日の注目点

◇改正薬事法が施行

◇5月の新車販売台数(自販連)

◇4月の毎月勤労統計(厚労省)

◇米ゼネラル・モーターズ(GM)再建計画の策定期限

◇4月の米個人消費支出

◇5月の米ISM製造業景況感指数

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