経済指標の好転にも関わらず、最後は“お化粧買い”清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年05月29日 15時49分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 昨日は米国株が大幅下落の中で堅調、本日は米国市場が大幅高となるなかで軟調、上値の重い展開となりました。週末・月末と言うことで持高調整の売り買いがあったことやお化粧買いに期待する動きなどもあり、朝方発表された4月の鉱工業生産指数は予想を大きく上回ったのですが、指数が上値の節目に押さえられました。最後は月末のお化粧買いと見られる買いもあり、ようやく節目と見られる昨年11月の高値水準を抜けての引けとなりました。

 「高値覚え・安値覚え」と言うことばがあります。株価が高かったときの記憶が強く、少し下がっただけで安く感じてしまったり、またもとの値段に戻るものだと思い込んでしまうこと、あるいはどうしても安い値段を忘れられずに相場が明らかに変わったのに空売りばかりをしてしまうというとは良くあることではないかと思います。

 かつてバブルの頃などは平気な顔をして「今日の高値は明日の安値」などと言っていたこともこの類と考えても良いのでしょう。相場の大きな流れの変化、潮目の変化があったときによくあることなのです。過去の値段ばかりを気にして、いつまでも弱気でいる、いつまでも強気でいるということでは株式投資もうまくいかず、潮目の変化をしっかりと見極めることが必要ではないでしょうか。

 空売りで儲けていた人達が儲からなくなる、とか、ある一定の株価水準を抜けることが潮目の変化を示すなど変化を見極める手段はいくつもあると思います。そうした変化をしっかりと見極め、自分の買ったり売ったりした値段を忘れて改めて相場の方向性を見ることも必要なのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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