発表された経済指標も強弱まちまち。強気になり切れないものの大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年05月29日 08時26分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8403.80△103.78

<NASDAQ>1751.79△20.71

<為替:NY終値>96.82-96.88

発表された経済指標も強弱まちまちで今一つ強気になり切れないものの前日の大幅下落の反動もあって大幅高

 朝方発表された耐久材受注は予想を上回ったものの、前月が下方修正、新規失業保険申請件数も前週よりも減少したものの、前週の数字自体を増額(雇用悪化)、新規住宅販売件数も予想を下回るなど、経済指標は底入れ感は出ているものの今一つ回復を決定付けるような数字でもなく、前日の大幅下落の反発で始まったものの軟調となる場面もありました。一方で、前日大きく売られていた債券が買い戻されて金利が低下、原油価格の上昇などを好感する動きもあり、堅調となりました。買戻しを急ぐ動きなどで上昇が加速され、利益確定売りや戻り売りをこなして大幅高となりました。

 経済指標での景気底入れを確認したいところですが、下げ止まりや下げ渋りは確認できるものの、回復を決定付けるような雰囲気にないという感じです。大手自動車会社の問題も個別の問題ということで市場全体への影響もほとんどなく、「回復過程」にあることは間違いないものと思います。回復の度合いを測りながら指数も徐々に戻して行き、ある一定の水準=節目を抜けるところから景気も株価も一気に回復するようなところではないかと思います。

 個別には前日の反動、債券高=金利低下を好感するようにJPモルガンチェースやバンクオブアメリカが高く、エクソンモービルやシェブロンなど製油関連銘柄も買われました。GM(ゼネラルモーターズ)は乱高下となったものの結局軟調、トールブラザーズやレナーといった住宅関連銘柄も売られました。四半期決算が減収減益となったコストコホールセールが安く、投資判断の引き下げのあったノードストローム、サックスといった小売株も安くなるものが目立ちました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安を受けて売り先行で始まったものの、為替が円安に振れたことや外国人が買い越しと伝えられたことなどから切り返し堅調となりました。それでもさすがに節目と見られる9500円水準、前日の高値水準では上値も重く、結局最後は目先筋の手仕舞い売りで上げ幅縮小となりました。

 朝方発表される経済指標動向に振らされるのでしょうが、米国株が前日の大幅下落の反動、債券市場の反発(=金利低下)から大幅高となったことで、上値の節目を目指すことになりそうです。シカゴ市場(CME)の日経平均先物は節目と見られる9500円を抜けてはいるものの、米国市場の反発も前日の大幅下落によるところも大きく、経済指標なども強弱感が対立、週末ということで買戻しなどは期待出来るものの一気に抜けてくるかどうか今一つ材料不足のような気もします。ここのところ週末は予想以上に買い戻しや持高調整の買いが入ることも多いのですが、果たして本日もそうした期待に応えるような買いが入るのかどうかは大いに注目されます。

 為替が米ドルばかりでなく対ユーロで大幅に円安に振れています。指数に影響の大きな精密株や機械株、ハイテク銘柄の一角は欧州の比重が高いものも多く、好感された買いも期待出来そうです。日経平均は9500円をいよいよ抜けて来るのかどうかというところですが、抜けたとしてもいったんは達成感などから、9500円水準での底堅さを確認することになるのでしょう。逆に抜け切れないようであれば、失望感から調整気分が一気に強まることになりそうです。ただ、少なくとも「下がれば買い」というような底堅い展開にはなって来るものと思います。

本日の注目点

◇4月の完全失業率(総務省)

◇4月の有効求人倍率(厚労省)

◇4月の家計調査(総務省)

◇4月の鉱工業生産指数速報(経産省)

◇4月の全国消費者物価指数(総務省)

◇1−3月の米GDP(改定値)

◇1−3月のインドGDP

◇5月のユーロ圏インフレ率(速報値)

◇決算・08年8−4月期:内田洋行(8057)

◇決算・08年11−4月期:パーク24(4666)

◇決算・2−4月期:SUMCO(3436)

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