インタビュー
» 2009年05月29日 08時30分 UPDATE

集中連載・“週刊誌サミット”:広告主をダマし続けていいのか? これからの『SPA!』のあり方 (1/3)

これまで20代〜30代の読者が多かった『SPA!』に、ここ数年、異変が起きている。かつて2%にも満たなかった50代の読者が、7%まで増えてきているのだ。渡部編集長によると、今の状況は「新入生が入ってこなくて、留年生ばかりの大学だ」という。

[土肥義則,Business Media 誠]

 20代〜30代の人で「週刊誌はあまり読まないけど、『SPA!』だけは読む」という人もいるだろう。フジサンケイグループの出版社・扶桑社から発行されている総合週刊誌だが、ほかの週刊誌と比べ、“柔らかい”記事が多い。

 発刊当時は「週刊誌の突然変異」と言われた『SPA!』も、今年で創刊20年を迎えた。しかし“週刊誌不況”と言われる中、『SPA!』も例外ではなく、売り上げが急速に減少している。厳しい状況が続いているが、『SPA!』編集部に17年間席を置く、渡部超(わたなべとおる)編集長はどのような手段でこの困難を乗り越えようとしているのだろうか?

※この記事は、5月15日に開かれた“週刊誌サミット”の内容を掲載しています。

週刊誌の“周辺部”にいる『SPA!』

yd_watanabe.jpg 『SPA!』の渡部超編集長

元木昌彦(司会):『SPA!』の渡部超さんは8代目の編集長。昔は「サブカルチャー雑誌」という言い方をされていたが、最近の『SPA!』は随分と変わってきた。例えば「ホームレスの(新)快適ライフに密着」といった記事があったり、読者層も変わってきているのかもしれない。渡部編集長には最近の『SPA!』の状況などをうかがいたい。

渡部超:『SPA!』は週刊誌の中でも、いわゆる“周辺部”にいる。よく「ニッチな週刊誌」と呼ばれるが、内容証明郵便は年に1.5本くらい届く。また届いた内容証明郵便の内容はメチャメチャひどい。

 今、抱えている裁判を紹介する。それは……ある外国人ジャーナリストが、とある外国人特派員の方を実名で「CIAのスパイだ」といった内容を書くという。その記事は「公共性がないので止めましょう」と何度も言ってきた。しかしその外国人ジャーナリストは怒り出したので「じゃあスパイくらいならいいか」と思って、書いてもらったら……インドから訴えられた(会場内笑い)。

 裁判で「CIAのスパイであることを立証しろ!」と言われたが、そんなこと立証できるわけないじゃないですか(笑)。我々の方は「CIAのスパイ(と書いたことは)名誉棄損に相当することですか」「かっこいいじゃないですか」と反論した(会場内笑い)。とまあ、裁判といってもこんな類のものが多い。

 社会的意義があったりするようなものではなくて、本当に“うかつ”な裁判……。なのでメディア規制などについて、僕に話せる資格はない。

『SPA!』には“リニューアル癖”がある

 “周辺部”の雑誌という、今の『SPA!』のスタンスは2代目編集長が作ったもの。(歴史を振り返ると)『週刊サンケイ』(1952年、産業経済新聞社から創刊)をリニューアルしたのが『SPA!』。なので“リニューアル癖”のようなものがあって、週刊誌の中の周辺部という立ち位置を守りながら、だいたい2年〜3年に1回のペースで微妙なリニューアルをしている。

 といった感じで「信念がないと言われれば、信念のない雑誌」で、これも多様性なのかなあ……と思っている。

 ただ田原さんと佐野さんからの叱咤は……心に響いた。しかし周辺部にいる我々でも「稼げないことには、度胸を持つこともできない」。それは鶏が先か卵が先か、といった話だろう。

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