経済指標の好転を受けて大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年05月27日 08時25分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8473.49△196.17

<NASDAQ>1750.43△58.42

<為替:NY終値>94.97-95.03

経済指標の好転を受けて大幅高

 朝方発表された住宅価格指数が予想を下回ったことや北朝鮮の核実験への懸念などから売り先行の始まりとなったのですが、その後発表された5月の消費者信頼感指数が予想を大きく上回ったことから個人消費の回復期待が強まって大幅高となりました。先週の相場で調整が進んでいたことの反動もあり、大きな上昇に繋がったものと思われます。懸念された国債入札も材料視されず、ヘッジ売りの買戻しもあって指数は大幅高となったものと思われます。

 まだ、節目と見られる水準である8500ドルを抜けておらず、戻り売りも出てくるのでしょうが、こうした経済指標の好転を評価する動きで一喜一憂しながら徐々に底入れ確認となって来そうです。まだ自動車会社の破綻懸念や雇用問題、国債入札への懸念などが拭いきれたわけでもなく、そうした懸念が節目で上値を押さえる要因ともなっているのでしょう。いずれにしても底入れ確認となるかどうか一つの山場を迎えていることは間違いなさそうです。

 個別には消費者信頼感指数が予想を上回ったことを好感してウォルマートやマクドナルドなど小売株が高く、景気回復期待や投資判断の引き上げを受けてアップルなどハイテク銘柄も軒並み堅調、GM(ゼネラルモーターズ)も大幅下落となる場面もあったのですが、小幅高で引けました。JPモルガンチェースやシティグループ、アメリカンエクスプレスなど金融株もほぼ軒並み高となり、指数を押し上げていました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国市場が休場となるなかで、軟調となりました。それでも一時大幅安となる場面があった割には手掛かり難のなか、出遅れ銘柄の物色や買戻しを急ぐ動きで底堅く、節目と見られる9300円は何とか保って引けました。主力ハイテク銘柄や自動車株など輸出関連銘柄は円高を嫌気する動きや買い戻し一巡ということで軟調なものが多いのですがディフェンシブ銘柄や内需関連銘柄の出遅れ感の強いものに加えて、小型銘柄も出遅れ感から買われて底堅い動きとなったものと思います。

 米国市場が大幅高となったことから上値の節目である9500円を目指す動きとなりそうです。為替は引き続き円高基調にはあるのですが大きく円高が伸展することもなく、米国個人消費の回復期待から輸出関連銘柄などにも買いが入りそうです。ここのところ調整感が強かったことからハイテク銘柄などにも買い戻しの動きが出てきそうで、株価の上昇が為替を円安方向に動かすような局面もあるのかもしれません。物色対象や市場参加者の広がりが見られるかどうかが注目されます。

 シカゴ市場の日経平均先物が9500円を抜けていることもあり、節目と見られる9500円水準を試す動きになりそうですが抜けるかどうかが注目されます。ADR(米預託証券)の動きなどを見ると、米国市場の上昇をある程度日本市場で織り込んでいたような感じでもあり、9500円を意識する水準では上値も重くなって来るのかもしれません。値がさ銘柄の戻りはある程度期待されますが、円高基調にあることが上値を押さえる要因となってしまうのかもしれず、内需関連銘柄なども物色されて、幅広い銘柄の上昇があれば9500円を抜けて来ることになるのでしょう。

本日の注目点

◇日銀政策委・金融政策決定会合議事要旨(4月30日分)

◇4月の貿易統計(財務省)

◇4月の米中古住宅販売

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