持高調整の買いも一服、出遅れ銘柄を物色する動きは続いたが指数は軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年05月26日 15時48分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9310.81円 ▼36.19円
売買高 19億3047万株
日経平均先物 9340円
売買代金 1兆2427億円
TOPIX 883.77 △0.77
値上がり銘柄 1014銘柄
東証マザーズ指数 375.28 △6.03
値下がり銘柄 553銘柄
日経ジャスダック平均 1084.85円 △5.59円
変わらず 132銘柄
騰落レシオ 99.68% △2.90%

日経平均

持高調整の買いも一服、出遅れ銘柄を物色する動きは続いたが指数は軟調

 米国市場が休場となったことで手掛かり難の中、買い先行となりました。ただ、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り買い共に少ないのですが買い越しと伝えられたものの金額ベースは売り越しとなったように昨日のような持高調整の買いも一巡となり、寄り付きの買いが一巡した後は先物へのまとまった売りなどもあって軟調となりました。一時売り急ぐ動きもあって大幅安となる場面もありましたが、出遅れ銘柄を中心に買いも入り底堅い展開となりました。

 後場に入ってからも軟調な地合いは続きましたが、大きく売られることもなく、前場同様に出遅れ感が強い銘柄などには買いも入り、底堅い動きとなりました。先物にまとまった売りが出るような場面もあったのですが、追随する動きもほとんどなく、ただ、戻り歩調となる場面では戻り売りや見切り売りもかさむ、と言った状況が続きました。引けを意識する時間帯からは先物のまとまた売り買いに振らされる格好となりましたが、最後は何とか9300円を保って引けました。

 小型銘柄は主力銘柄に比べて出遅れ感が強い銘柄も多く、堅調となるものが目立ちました。東証マザーズ指数や日経ジャスダック平均は大幅高、二部株指数も堅調となりました。先物はまとまった売り買いも散発的には見られ、その都度指数は振らされるのですが、追随する動きは少なく、大きく方向感を出すような動きにはなりませんでした。相変わらず目先筋の小口の売り買いが中心と見られます。

 手掛かり難のなか、「出遅れ銘柄」を物色する動きとなっているようです。連休明けの米国市場も読みきれず、米国債の入札に対する懸念などを取りざたする向きもあり、積極的には買えないということなのでしょう。本日の引けが何とか9300円を保ったのですが、引き続き、9300円から500円が「抵抗帯」して確認されたような格好となっており、米国市場次第ではあるのですが、軟調となればいったん下値の8800円から9000円の水準での底堅さを試すような動きも見られるのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 方向感のない展開が続いています。転換線がサポートとなっているようですが、RSIもストキャスティックスも上値余地はあるものの高値圏にあり、まだ日柄か値幅の整理が必要と言う感じです。9300円を超えたわりには上値が重く、9300円から500円の「抵抗帯を確認するようです。5月11日の9500円水準を抜けるか、4月28日の8500円水準を割り込むまで基準線の方向は変わらず、それまではこの範囲での動きと見ておいても良いものと思います。

TOPIX

NYダウ

 日経平均よりも堅調な動きとなっています。物色対象が広がったということでしょう。ただ、日経平均同様に上値の節目を抜け切っておらず、RSIやストキャスティックスも上値余地はあるものの高値水準であり、上値の重い展開は続きそうです。

円相場

NYダウ

 1月高値=3月安値水準の節目での底値固めと言う状況です。それでもRSIはまだ下値余地があるものの底値圏で下げ渋っており、ストキャスティックスも底値圏から反発を示唆しており、この節目での底堅さを確認しながら雲に上値を押さえられるまでの戻りを試すような動きとなって来るのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

手掛かり難のなか買い疲れ感が強く上値の重いものが目立つ

GSユアサ(6674) 723 △19

 電気自動車向け電池工場を新設、電池の生産能力を3倍強に増やすと報じられ、償却負担は増すものの、業績拡大期待から買われて堅調となりました。

三越伊勢丹(3099) 861 △18

 2012年3月期までのコスト削減計画を従来の140億円から400億円に増額すると新聞で報じられ、収益改善を期待する買いが入り、堅調となりました。

帝人(3401) 242 ▼12

 昨日の引け後に債務を貸借対照表から切り離すオフバランス取引で特別損失を計上すると発表、収益下振れを懸念する売りに押されて大幅安となりました。

凸版印刷(7911) 818 △15

 特に材料が出たわけでもないのですが、総じて買い戻し一巡感が強まるなかで、まだ信用売り残が多いことから、買戻しを急ぐ動きとなって堅調となりました。

荏原(6361) 294 ▼3

 燃料電池事業からの撤退を発表、。事業環境の厳しさを改めて意識されたことから売り先行となりました。経営資源の集中を評価する声もあるのですが、目先的な買戻し一巡感もあり、軟調となりました。

キヤノン(7751) 3170 ▼50

 為替が円高水準に止まるなかで、目先的な買戻し一巡感もあって買いが入り難く、ちょっとした売りに押される展開となりました。値動きの悪さを見て売り直す動きもあり、終始軟調となりました。

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