円高一服や持高調整の買いが幅広く入り大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年05月25日 16時02分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9347.00円 △121.19円
売買高 20億1070万株
日経平均先物 9340円 △110円
売買代金 1兆2425億円
TOPIX 883.00 △7.12
値上がり銘柄 1200銘柄
東証マザーズ指数 369.25 △9.90
値下がり銘柄 370銘柄
日経ジャスダック平均 1079.26円 △11.69円
変わらず 126銘柄
騰落レシオ 96.78% △5.47%

日経平均

円高一服や持高調整の買いが幅広く入り大幅高

 週末の米国市場が軟調となったことや為替が円高圏に止まっていたにもかかわらず買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が大幅買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡した後も先物のまとまった買いを主導に出遅れ感の強い内需関連銘柄を中心に幅広い銘柄に買いが入り大幅高となりました。

 昼の間に北朝鮮の核実験実施が伝わり、後場は売り先行となりました。それでも寄り付きの売りが一巡したところで、底堅さが確認されると切り返し、為替が円安に振れたこともあり、再び大幅高となりました。ただ、さすがに特に理由の見当たらないなかでの上昇だけに9300円の節目を抜けると戻り売りや見切り売りも多く、最後は目先筋の利食い売りや手仕舞い売りもあって、上げ幅を縮小して引けました。

 小型銘柄も総じて堅調となりました。売り一巡感の強いものは大きく値を飛ばすものもあり、東証マザーズ指数や日経ジャスダック平均は大幅高、二部株指数も堅調となりました。先物は朝方はまとまった買いも多く相場上昇を主導する格好でしたが、後場中ごろからはまとまった売りも見られ、指数の上値を押さえるような格好となりました。

 方向感のない動きになるかと思われましたが、先週末と同様に持高調整と見られる買いがあったようです。幅広く、出遅れ銘柄を中心に買われていたことや同じ業種の中でもまちまちとなっていたところを見ると銘柄入れ替えのなかで、株式の持ち高を増やすような動きなのかもしれません。景気底割れや金融不安が薄れたことで、北朝鮮のきな臭い動きはあるものの、持ち高を増やす動きもあるのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 転換線に絡みながら堅調となっています。RSIやストキャスティックスは下落を示唆していたのですが、中途半端な位置で下げ渋っています。いずれにしてもまだ目先的な過熱感はあり、基準線が上昇する、つまり、5月11日の高値を抜けない限りまだ、基準線まで下落となって過熱感を冷ます場面もありそうです。逆に言えば5月11日の高値を抜ければRSIやストキャスティックスが高値圏になるまで戻りを試すことになりそうです。

TOPIX

NYダウ

 RSIやストキャスティックスは下げ渋っており、調整がもう少しあっても良かったような感じです。一気に上値を抜けるような動きにならないと上値の重さが気になってしまうことになりそうです。

円相場

NYダウ

 雲を割り込み、1月高値水準=3月安値水準=青い点線のサポートを確認するような格好です。ストキャスティックスは底値圏にあり、ここから反発となりそうですが、RSIには下値余地もあり、戻りも鈍そうです。この水準での底堅さを確認しながら、雲に上値を押さえられ、もみ合いの中で底値固めとなりそうです。

銘柄ピックアップ

出遅れ感の強い銘柄を中心に幅広く物色

塩野義(4507) 1952 △106、 中外製薬(4519) 1760 ▼27

 塩野義製薬はインフルエンザの治療薬を2010年を目処に日本市場に投入すると報じられ、インフルエンザの感染が広がるなかで好感され大幅高となりました。一方で、現在主力の治療薬を提供している中外製薬はライバルの出現を嫌気して軟調となりました。

トヨタ(7203) 3560 ▼10

 米GM(ゼネラルモーターズ)にハイブリッド車の中核技術を提供する検討にはいったと報道されたことや新型のハイブリッド車が発売から始めての週末を迎えて受注が好調と伝えられ、好感する買いや円高が一服となったことから堅調となりました。

新日鉄(5401) 348 △9

 先週末までの下落の反動やトヨタ(7203)が鉄鋼大手に対し、鋼材の追加値下げを要請しない」と新聞で報道されたことを好感する動きもああり、大幅高となりました。

新日石(5001) 576 △9

 東京大学と共同で、従来に比べて価格が安い新型の太陽電池を開発したと報じられたことや原油価格が堅調に推移していることから買いが入り堅調となりました。

河西工(7256) 243 △39

 先週土曜日付の新聞で独自動車メーカーから北米で自動車内装部品を一括受注したと報じられ、業績上方修正への期待され大幅高となりました。

JR東日本(9020) 5680 ▼50

 円高一服となったこと、また、ここのところ戻り歩調となっていたことやインフルエンザの業績への影響が取りざたされて売られ、内需銘柄を中心に幅広く買われるなかで、軟調となりました。

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