円高、米国株安を受けて大幅下落、一時持ち直すも再度売られて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年05月22日 15時44分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9225.81円 ▼38.34円
売買高 20億5834万株
日経平均先物 9230円 ▼50円
売買代金 1兆3009億円
TOPIX 875.88 ▼5.56
値上がり銘柄 582銘柄
東証マザーズ指数 359.35 △6.83
値下がり銘柄 983銘柄
日経ジャスダック平均 1067.57円 △0.90円
変わらず 130銘柄
騰落レシオ 91.31% ▼3.47%

日経平均

円高、米国株安を受けて大幅下落、一時持ち直すも再度売られて軟調

 米国株が大幅下落となったことや為替が円高に振れたことから売り先行となり、軒並み売り気配から始まるなど大幅下落の始まりとなりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も売り越しとなったことで一気に売りがかさんだものと思われます。ただ、寄り付きからの売りが一巡したところで幅広い銘柄に持高調整の、あるいはファンドか何かのまとまった買いが幅広い銘柄に見られ、一時前日比プラスとなるなど急激に切り返しました。

 後場も買い先行となり、高値を更新する始まりとなったのですが、前場とは逆に買いが続かないと見ると週末の手仕舞い売りやヘッジ売り、目先筋の見切り売りがかさんで軟調となりました。日経平均で9200円を割り込むような水準では買戻しなども見られ、また下値を売り急ぐような動きもなく、米国市場や円高の割には底堅い展開となりました。ディフェンシブ銘柄、出遅れ感が強い銘柄として食品株が買われ、ハイテク銘柄の中にも持高調整の買い戻しが入る銘柄が高く、指数を下支えする格好となりました。

 小型銘柄も高安まちまちとなりました。一部の銘柄には持高調整と見られる売り買いもあったようで、東証マザーズ指数は大幅高、二部株指数は堅調、日経ジャスダック平均は小幅安と指数もまちまちとなりました。先物もまとまった売り買いは前場と後場の寄り付き直後までに見られた程度で、現物株の動きに追随するような格好でした。ヘッジ売りなども比較的少なかったのではないかと思われ、相場を動かすようなこともなかったものと思います。

 大きく円高に振れた割には底堅い展開です。買戻し一巡後に改めて輸出関連銘柄を売り直す動きが少なかったということなのでしょう。今年に入ってからは業績悪化を理由にハイテク銘柄などを中心に空売りがかなり積みあがっていた分、買い戻しを急ぐ動きで指数を押し上げる場面もありましたが、ようやくそうした売りが止まったということなのでしょう。ここからは業績が比較的好調、底堅い銘柄、出遅れ感の強い銘柄などに実需の買いが入るかどうかということなのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 軟調ながらも底堅い、方向感のない展開となっています。RSIやストキャスティックスは調整を示唆しているように見え、いったんは遅行線が日々線のサポートを確認するような動きになるか、日々線が基準線のサポートを確認するか、いずれにしても押し目を確認するような場面があってもいいのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 転換線に上値を押さえられています。まだRSIやストキャスティックスは調整を示唆しており、日経平均と同様に基準線のサポートを確認する、あるいは遅行線が日々線のサポートを確認するような場面があるのではないかと思います。

円相場

NYダウ

 雲を割り込みましたが何とか1月高値水準=3月安値水準=青い点線で下げ止まっています。RSIには下値余地もあるのですが、ストキャスティックスは底値圏にあり、それでもいったんは戻りを試すことになるのかもしれません。ただ、引き続き遅行線は雲の上限に押さえられ、日々線は雲に上値を押さえられることになり、当分の間上値も重そうです。

銘柄ピックアップ

円高にも関わらず輸出関連銘柄にも高いものが見られる

東京エレクトロン(8035) 4390 △10

 円高や前日までの上昇の反動から売り先行で始まったものの持高調整と見られる買いが入り堅調となりました。半導体製造装置のBBレシオ(出荷額に対する受注額の割合)が日米共に上昇していることを好感する動きもあったものと思います。

Jフロントリテイリング(3086) 378 △12

 関西でのインフルエンザ感染拡大の影響などからここのところ売られていましたが、店舗の本格的な改装などが新聞で報道されたことや値ごろ感からの買戻しなどが入り堅調となりました。投資信託の買いが入っているとの見方もありました。

三洋電機(6764) 214 △15

 前場の引け後に世界最高の変換効率を可能にする技術を開発したと発表したことから、後場に入って一段高、年初来高値更新となりました。電池に注目される三洋電機の発表だけに敏感な反応となりました。

住友商事(8053) 951 ▼3

 サウジアラビアでの発電・造水プロジェクトの事業化を断念したことを嫌気した売りや週末の手仕舞い売りなどに押されて軟調となりました。大手証券のレポートで商社株に強き継続とされたのですが、特に材料視されず売りが優勢となりました。

住友金属鉱山(5713) 1245 △11

 ニューヨークの金先物相場が大幅高となったことを好感して堅調となりました。ドル安が進むと金相場が高くなるとの見方からヘッジ的な買いも入ったものと見られます。

コジマ(7513) 531 △80

 連日の年初来高値更新、ストップ高となりました。「エコ家電」の買い替え促進政策、「エコポイント制度」で、薄型テレビや冷蔵庫などの販売が増えていることを好感、信用売りが増えていることも買戻しを急がせる要因として材料視され、大きな上昇となりました。

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