米国株安や円高を嫌気して軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年05月21日 15時45分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9264.15円 ▼80.49円
売買高 20億3606万株
日経平均先物 9280円 ▼50円
売買代金 1兆3202億円
TOPIX 881.44 ▼4.86
値上がり銘柄 599銘柄
東証マザーズ指数 352.52 △1.79
値下がり銘柄 950銘柄
日経ジャスダック平均 1066.67円 ▼3.44円
変わらず 150銘柄
騰落レシオ 94.79% ▼1.32%

日経平均

米国株安や円高を嫌気して軟調

 米国株が軟調となったことや円高となったことから輸出関連銘柄を中心に売り先行となりました。それでも外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたことから寄り付きの売りが一巡した後はいったん底堅さも見られました。ただ、戻りの鈍さを嫌気する動きや内需関連銘柄もインフルエンザ感染の拡大を嫌気するように買い手が見られないことから見切り売りもかさみ、一段安となる場面もありました。市況回復を好感して非鉄株などは高かったのですが、物色対象も広がらず指数の下支えにはなり切れないという感じでした。

 後場も円高一服となったにもかかわらず売り先行となりました。ただ、前場の安値を意識するようなところでは目先筋の買い戻しや押し目買いも見られ、パニック的に売り急ぐ動きもなく安値圏で小動きとなりました。改めて売り叩く動きがなく、底堅さが見られると買戻しと見られるまとまった買いも見られ、引け際には先物に買戻しを急ぐ動きがあり指数も一段と下げ幅を縮小となりました。

 主力銘柄が軟調となるなかで小型銘柄はまちまちとなりました。売り急ぐような動きは見られず、東証マザーズ指数や二部株指数は堅調、日経ジャスダック平均は軟調となりました。先物も朝方は売り急ぐ場面も見られましたが、午後になると積極的な売り買いは最後まで見られず、こう着状態となりました。引け際には買戻しと見られるまとまった買いが断続的に見られる場面もあり、指数を押し上げる(下げ幅を縮小する)要因となっていました。いずれにしても目先筋の売買が中心と見られます。

 大きく円高に振れた割には底堅い展開です。買戻し一巡後に改めて輸出関連銘柄を売り直す動きが少なかったということなのでしょう。今年に入ってからは業績悪化を理由にハイテク銘柄などを中心に空売りがかなり積みあがっていた分、買い戻しを急ぐ動きで指数を押し上げる場面もありましたが、ようやくそうした売りが止まったということなのでしょう。ここからは業績が比較的好調、底堅い銘柄、出遅れ感の強い銘柄などに実需の買いが入るかどうかということなのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 引き続き転換線にサポートされる格好となっています。底堅いように見えるのですが、まだ、RSIもストキャスティックスも水準は高く、上値の重い展開が続くのではないかと思います。引き続き9500円に近づくと売られ、基準線の水準である9000円では底堅い、という動きと見ておいていいのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 転換線を割り込みかけています。RSIやストキャスティックスの水準もまだ高く、調整を示唆しており、少なくとも基準線あたりまでの調整はあってもいいのではないかと思います。

円相場

NYダウ

 雲の下限でサポートされて、遅行線が雲の上限に上値を抑えられている形です。ストキャスティックスは底値圏からの反発となっていますが、RSIはまだ下値余地もあり、いったん1月高値水準=3月安値水準=青い点線まで、突っ込むような場面もあるのかもしれません。

銘柄ピックアップ

円高を嫌気する動きで輸出株が安く、市況の回復を好感して非鉄株が高い

ソニー(6758) 2500 ▼5

 電子機器部材の調達先を大幅に削減しこすと削減を図ると報じられました。本来好材料と受け止められてもいいところなのですが、円高を嫌気する動きが勝り、軟調となりました。

三菱マテリアル(5711) 297 △8

 同地金を生産する国内外の工場を8月からフル稼働すると新聞で報じられ、需要の回復を期待する買いに加え、市況の回復を好感する動きから大幅高となりました。

T&Gニーズ(4331) 7060 △1000

 昨日の引け後に今期(2010年3月期の連結業績予想を発表、最終損益が前期の赤字から黒字に転じるとしたことを好感して買いを集め、ストップ高となりました。

日清食品HD(2897) 2830 △175

 昨日の大引け後に時間外取引で450万株を上限に自社株買いを実施すると発表、株式需給の改善や買いつけた自社株の償却が期待され、株主配分を意識したものとして好感され、買われました。

花王(4452) 2065 △45

 円高が進み主力輸出関連銘柄の物色が見送られるなかで、ディフェンシブ銘柄として注目され、首都圏でのインフルエンザ感染が報じられたこともハンドソープなどの販売増に繋がるとして交換されて堅調となりました。

NTTドコモ(9437) 140400 ▼1400

 夏のボーナス商戦に向けた携帯電話の新機種を発表、話題となっている「グーグル携帯」などでの買い替えが増えることなどを期待して寄付きから買われましたが、買い一巡後は見切り売りや戻り売りに押されて軟調となりました。

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