前日の大幅高の反動から最後は利益確定売りや手仕舞い売りに押される清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年05月20日 08時24分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8474.85▼29.23

<NASDAQ>1734.54△2.18

<為替:NY終値>95.94-96

前日の大幅高の反動から最後は利益確定売りや手仕舞い売りに押される

 朝方発表になった新築住宅着工数は過去最低となりましたが、戸建て住宅は2ヶ月連続で増加したことから市場では消化しきれず、前日の大幅高の反動もあって売りが優勢となるものの底堅く、買戻しなどで堅調となるものの最後まで買い切れずに上値の重い展開となりました。最後は公的資金の返済の話題などから堅調となっていた金融株を中心に利益確定売りや戻り売りがかさみダウ平均は軟調、ナスダック指数もほぼ横ばい水準まで売られました。原油価格動向などへの反応も落ち着いてきており、金融不安、信用収縮懸念が薄れているなかで、冷静に景気の回復を待っているというような感じです。

 住宅指標も底堅さが見られるようになったのですが、完全に底入れ確認といかず、指数自体も節目と見られる水準を抜けて底入れ確認とはいかないようです。企業業績も強気の見通しと弱気の見通しが入り混じっており、あと一つ二つの底入れシグナルとなる経済指標が欲しいというところでしょう。センチメントは好転しており、住宅指標も悪い方ばかりを見るということもなく冷静に対処しており、徐々に底入れを確認するような展開になりそうです。

 個別には予想を上回る決算を発表したものの、慎重な見通しを嫌気してホームデポが売られ、利益確定売りに押されてJPモルガンチェースやバンクオブアメリカなど金融株も安くなりました。ハイテク銘柄は景気底入れ感が強まっていることが底堅く、IBMなど堅調となるものが目立ちました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は前日の大幅下落の反動や米国株高、円安などを好感して買い先行となりました。外国人は売り越し基調と伝えられたのですが、特に上値を押さえらたと言う印象もなく、節目と見られる9300円の水準で小動きとなってしまいましたが、最後まで比較的値持ちの良い展開となりました。個別に決算動向や利食い売りに押されるものも散見されましたがほぼ全面高という展開となりました。

 米国市場はまちまちとなり、為替も再び円高傾向にあることに加え、昨日の大幅高の反動もあって上値の重い展開となりそうです。朝方発表されるGDP(国内総生産)の数字が予想を大きく上回り、底入れ感が出るようであれば、一気に上値の節目を試すような動きになるのでしょうが、予想を下回るようなことになれば、為替は円安に振れるのでしょうが株式市場自体も景気底入れの遅れを嫌気するような動きになりそうです。いずれにしてもGDP次第と言う感じですが、悪くても悪材料出尽くしとなる可能性もあり、予想通りであればヘッジ売りの買戻しなどで堅調となりそうです。

 9300円の節目を抜け切れないという感じです。9300円から500円水準が上値の抵抗帯という感じであり、しっかりと9300円台を固める動きになるかどうかが注目されます。下値も9000円前後でのそこ堅さも確認されており、特に景気悪化や金融不安でもない限り8800円から9000円水準が下値となるのではないかと思います。本日はGDPが予想通りであっても、為替が円安に振れないと押し目を確認するような場面もあるのかもしれません。

本日の注目点

◇1−3月期の国内総生産(GDP)

◇欧州中央銀行(ECB)定例理事会(フランクフルト)

◇4月のコンビニエンスストア売上高(日本フランチャイズチェーン協会)

◇米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公開(4月分)

◇決算・3月期:東京海上HD(8766)、三井住友海上グループHD(8725)、損害保険ジャパン(8755)、日本板硝子(5202)

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