昨日の大幅下落の反動に加え、米国株が反発となったことや円高一服となったことから大幅高となりました。決算動向に反応する動きも多いのですが、朝方発表になった機械受注が予想を上回ったことや週末の買戻しを急ぐ動きもあったことから大きな上昇となったものと思われます。相変わらず目先的な需給に右往左往する動きなのですが、それでも節目を意識した動きとなっています。
インターネットを利用した株式取引は手数料がとても安くなっており、それだけに目先的に1円2円を取ろうという動きが強いようです。こうした1円、2円をとる動きであれば「逆張り」の投資をしようと思えば底値をピンポイントで買い、天井をピンポイントで売る必要があり、どうしても「順張り」が基本的な売買スタンスとなってしまいます。そうすると今度は高値で買ってしまうリスク、安値で売ってしまうリスクが大きくなって来るのです。
動き始めに飛び乗り、人が買って来るところで売れば良いのですが、口で言うのは簡単、誰もが同じ事を考えているわけですから、次に買う人を期待して思い切りで買うということが多いのではないかと思います。基本的に株の売買は中長期投資でもディーリングでも安いところで買って高いところで売る、高いところで売って、安いところで買戻す、ということなのですが、実際に1円、2円を取ろうと思うと高いところで買って、より高いところで(1円、2円上の値段で)売ろうとばかり考えてしまい、失敗することが多いのではないかと思います。
1円、2円を取るためにはおそらく、10円くらい取れる動きでないと失敗するのでしょうし、それくらいは余裕を持って出来ないといけないのではないでしょうか。また、1円、2円を取りに言って20円損してしまうことも良くある話で、1円、2円を取るためには「銭」単位で損切るくらいでないとだめなのではないでしょうか。つまり、10円取るつもりで2円、3円損をするということであれば、一度成功すれば3−4回は失敗できるのです。1円取って、10円損するのであれば1度損をすると10回成功しなければならないということなのですが、そうしたリスクとリターンの関係などもしっかりと考えておく必要があるのではないかと思います。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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