円高や米国株のもたつきに上値を押さえられるがディフェンシブ銘柄の買いで指数を下支えて堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年05月13日 15時46分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場が強弱感が対立するようにまちまちとなりましたが、日本市場もこれまで出遅れ感が強かった食品株や医薬品株、電鉄株などのディフェンシブ銘柄が堅調となる一方でハイテク銘柄や自動車株などのこれまでの戻り相場を先導したような銘柄が決算発表などをきっかけに手仕舞い売りに押されて軟調となるなるなどまちまちの展開で指数は方向感のない展開となりました。

 決算発表が本格化するなかで、予想されたこと(?)とは言え、「思ったほど悪くない」決算を発表する銘柄も多くなっています。昨年10月−12月の「最悪な雰囲気」の中で、その悲観的な勢いで見ていた1−3月期の業績が比較的改善していることが一つの要因ではないかと思います。

 また、今期(2010年3月期)の業績見通しも決算発表をする銘柄が増える連れ、徐々に比較的楽観的な見方も増えているようです。つまり、世界的な経済政策などで底入れ感が強まり、実感として徐々に身近に景気底入れ感が出ているということではないかと思います。ETCが売り切れとなり、高速道路が大渋滞となるなど実際に景気の底入れを示す施策の効果も見えており、今後の政策に対する期待もあるのでしょう。

 実際に家電の「エコポイント」も大手電機メーカーの収益にどれだけ寄与するかはわかりませんが、少なくとも「補助が出るから買い替える」と言った新たな需要を喚起することにはなると思います。住宅メーカーなどの太陽光発電や燃料電池などもある意味でETCや高速道路と同列で見てもいいのではないかと思います。個人の需要が増えればいろいろなところが恩恵を被り、それをきっかけに業績が底入れすると言うことも十分に考えられるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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