米国株安や円高を嫌気、急騰の反動もあり大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年05月12日 15時51分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9298.61円 ▼153.37円
売買高 25億2196万株
日経平均先物 9320円 ▼130円
売買代金 1兆6446億円
TOPIX 885.43 ▼15.02
値上がり銘柄 492銘柄
東証マザーズ指数 352.07 ▼2.96
値下がり銘柄 1102銘柄
日経ジャスダック平均 1061.01円 ▼ 1.37円
変わらず 106銘柄
騰落レシオ 106.41% ▼7.79%

日経平均

米国株安や円高を嫌気、急騰の反動もあり大幅下落

 米国市場が大幅下落となったことや為替が円高に振れたこと、また、5連騰で急騰となっていたことや昨日の相場で9500円の節目をつけたことでの達成感などもあって売り先行となりました。昨日まで買い越し基調とされた外国人売買動向も今日は売り越しと伝えられたことも寄り付きからの売りが一巡した後も上値を押さえる要因、早めに手仕舞いうり、見切り売りが出る要因となり大幅下落となりました。それでも輸出株の一角などに買戻しを急ぐ動きなどもあいかわらず見られ、また9300円の節目を意識する水準では先物を中心にまとまった買いも見られ大幅下落ながらも節目で底堅い展開となりました。

 後場に入ると戻り歩調となる場面も見られましたが、目先的には過熱感が強いことなどもあり、上値も限定的となりました。逆に下値も相変わらず9300円の節目を意識する水準では買戻しや押し目買いも見られ底堅さも見られ、指数は狭い範囲での動きとなりました。一方で、決算発表が本格化するなかで敏感に反応する動きも見られましたが目先的な反応に止まるものも多く、相場全体を大きく動かすような動きは見られませんでした。結局最後は見切り売りがかさむ格好で指数を押し下げるような売りに押され安値引けとなりました。

 小型銘柄も見切り売りや戻り売りに押されて軟調となるものが目立ちましたが、売りも限定的で主力銘柄ほどの下げにはなりませんでした。東証マザーズ指数は軟調となったのですが、二部株指数は小幅安、日経ジャスダック平均は小幅高と底堅さが見られました。先物にもまとまった売り買いは見られたのですが、さいごは買い方の投売りのような格好で指数を下押す要因となってしまいました。目先的な過熱感からのヘッジ売りなどもあったようです。

 上値の節目を確認したような格好で大幅下落となりました。9300円水準の節目で下げ渋ったことから、ここで反発9300円から500円の狭い範囲でのもみ合いとなるのか、いったん次の下値目処とである8800円から9000円あたりまで調整となるのか、明日の沿相場で決まりそうです。引け味はあまり芳しいものではなく、いったん調整となる可能性が強まりそうです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 大きな陰線とならなかったことで、何とかまだここから上値を抜ける可能性も残されていますが、いったんは戻り高値をつけたことを確認するような格好となるかもしれません。RSIには上値余地もあるのですが、ストキャスティックスは高値圏にあり、移動平均線や基準線からの乖離もまだまだ大きいことからいったんは押し目を探る展開となって来るのではないかと思われます。それでも、転換線や基準線の水準では下げ止まるものと思います。

TOPIX

NYダウ

 1月高値水準を抜けたところでいったん高値をつけた格好となりました。RSIには上値余地もあるのですが、ストキャスティックスも高値圏からの調整を示唆しており、いったん下値を確認するような展開となるものと思います。転換線にサポートされる水準で下げ止まるかどうかが注目されます。

円相場

NYダウ

 RSIには上値余地もあるのですが、遅行線が日々線を割り込んだ格好で調整となりそうです。日々線はかろうじて雲にサポートされてはいますが、あっさりと基準線を割り込んでおり、基準線の下落も続くことからいったん雲の下限まで雲のなかで下値を試すような動きとなる可能性もありそうです。いずれにしても上値の重い展開となりそうです。

銘柄ピックアップ

円高や米国株安から総じて軟調

ラウンドワン(4680) 870 △100

 今期(2010年3月期)業績見通しを発表、2桁の増収増益に加え、米国への進出を発表、業容拡大などを素直に好感し、期待した買いが集まり、ストップ高となりました。市場に手詰まり感が強まっているなかで、素直に好材料と受け止める向きも多かったものと思われます。

セコム(9735) 3800 ▼140

 前日の取引時間中に予想を上回る決算見通しを発表し大きく買われた反動から大幅下落となりました。前期業績も芳しくなかったことを見直して手仕舞い売りがかさみました。

第一三共(4568) 1653 ▼170

 取引時間中に決算を発表、それまで底堅い動きとなっていたのですが、予想を下回った決算を発表したことを嫌気した売りに押されて大幅下落となりました。ディフェンシブ銘柄の一角として買い戻しなども入っていたことから改めて売り直す動きが出て大きく下押すことになりました。

ダイキン(6367) 3010 △30

 一時大幅高、年初来高値更新となりました。為替が円高に振れたことから輸出関連銘柄は総じて軟調だが中国で低価格のエアコンを発売すると新聞で報じられたことから、中国での業容拡大を好感した買いが入り、最後は利益確定売りに押され上げ幅縮小となりましたが、一時大幅高となりました。

ハウス食品(2810) 1355 △5

 昨日の引け後に発表した決算で前期(2009年3月期)が増益とされたことに加え、今期(2010年3月期)も増収増益が見込めると発表したことを好感して手掛かり難の相場の中で買いが先行、堅調となりました。

日本製鋼所(5631) 1222 △24

 特に材料が出たということでもないのですが、輸出関連銘柄やディフェンシブ銘柄が上げ一服となる中で、幕間つなぎとして「原発関連銘柄」を物色する動きもあり、同社株も買戻しを交えながら堅調となりました。

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