週末の米国株高を受けて買い先行で始まり、堅調ながらも目先的な過熱感や円高を嫌気して上値も重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年05月11日 15時59分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 週末の米国市場が大幅高となったことで買い先行となったものの、節目と見られる9500円をつけると目先的な達成感もあり、利益確定売りや戻り売りに押されて上値の重い展開となりました。それでも外国人が買い越し基調と伝えられていることや決算発表を終えて出尽くし感などから買戻しを急ぐ動きもあり、底堅い動きとなりました。

 取引時間中に発表になる決算などにも敏感に反応する動きとなっています。何度もこのコラムで述べていますが、目先的な材料や目先的な動きに乗り易い投資家(投機家?)が多いだけに、取引時間中の動きなどへの反応もいったん方向が決まると大きな動きとなるようです。

 特に今回の決算発表などは今期業績見通しなどを慎重に見る企業も多く、また、そうした慎重な見方も「慎重な見方だから・・・」と言う反応ではなく、「悪い」と言う反応になることが多く、その数字に素直に反応しているようです。今期業績見通しなどはまだ始まったばかりなので、それほど慌てて反応することもないのはないかと思うのですが、なぜか敏感に反応しているようです。

 好決算に反応しきれないものはその後のアナリストのレポートなどに反応するケースも多くなっていますが、投資判断の変更なども変更が話題になった日だけ、その投資判断への反応は見られるものの、決算発表などと同様に長続きする材料でもないようです。慎重な見通しを発表した企業でもその前提となる為替や海外景気動向、あるいは国内景気に対する見方などの変化を見ながら反応しても遅くはないものと思われます。目先的な反応について行くのもいいのでしょうが、常に「その先」を見て慎重に動きたいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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