予想を上回る雇用統計やストレステストの結果発表を受けて大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年05月11日 08時36分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8574.65△164.80

<NASDAQ>1739.00△22.76

<為替:NY終値>98.43-98.49

予想を上回る雇用統計やストレステストの結果発表を受けて大幅高

 前日引け後に発表となったストレステストは事前に伝わっていたものと大きな違いがなかったことなどから安心感が強まっていたところで、朝方発表された雇用統計も予想ほどの悪化ではなく、雇用不安が薄れたことから買い先行となりました。目先的な過熱感もあってハイテク銘柄などを中心に利益確定売りに押され上げ幅を縮小する場面もありましたが、金融不安と雇用不安が薄れたことを好感、金融機関への格下げ懸念も薄れたことで買戻しを急ぐ動きもあり、大幅高となりました。

 指数の動きが少しまちまちとなっています。ダウ平均はようやく節目を抜け、底入れが強まったところであり、先駆したナスダック指数は底入れ確認となる節目を意識して上値が重くなる場面もありました。景気底割れ懸念、金融不安、そして雇用不安も薄れており、センチメントはかなり好転しているものと思われます。節目を抜けたことでの達成感、次の節目を意識しての調整などから、押し目を試す場面もあるのでしょうが、底堅い展開が続くものと思われます。

 個別には既存店売り上げが好調だったマクドナルドが堅調、赤字幅の拡大を嫌気して連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)が大幅下落となりました。ストレステストの結果を受けて金融株が軒並み堅調、JPモルガンチェースやバンクオブアメリカなどは大幅高となりました。ハイテク銘柄はIBMやインテルが軟調となる一方でグーグルやマイクロソフトが堅調となるなどまちまち、原油価格の上昇を受けてエクソンモービルやシェブロンなど石油関連銘柄は堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は先々週の金曜日と同様に週末の手仕舞いの買い戻しなどを中心に堅調となりました。米国株安などを受けて軟調となる場面もあったのですが、米ストレステストも大過なく終わったとの見方から米国株高期待もあり、買い戻しが優勢となったものと思われます。出遅れ感が強かったディフェンシブ銘柄などが買われ、先物の買い戻しや銀行株の買いで指数を押し上げる動きとなりました。

 週末の米国市場が大幅高となったこともあって堅調な展開が期待されます。ただ、週末に米国株高の要因を織り込んでいることや節目と見られる水準を意識するところであり、目先的な過熱感もあることからいったんは上値も限定的となりそうです。決算発表も思ったほど悪くない決算が多く、売り叩くような要因にもならず、逆に悪材料出尽くし感が出るものが多いような感じです。とりあえずは売られすぎの修正の段階といえるのでしょうが底堅い展開が続きそうです。

 節目と見られる9200円から300円を抜けたと見てもよさそうです。一方で次の目処となる9500円を目指す動きとなるものと思われ、その前に節目と見られる下値の水準を固める動きになるのか一気に9500円を抜けて、そこで達成感が出るのかといったところでしょう、いずれにしても、さすがに4連騰で1000円近くも上昇しており、さすがに上値は重くなっているものと思います。

本日の注目点

◇4月の車名別国内新車販売実績(自販連)

◇バーナンキ米FRB議長が大手金融機関の資産査定(ストレステスト)について講演(米ジョージア州)

◇主要国中央銀行総裁会議(スイス・バーゼル)

◇4月の中国・消費者物価指数、工業品出荷価格(卸売物価)指数

◇決算・3月期:スズキ(7269)、いすゞ自動車(7202)、電通(4324)、武田薬品工業(4502)、ミクシィ(2121)、帝人(3401)、三菱マテリアル(5711)、住友化学(4005)、東レ(3402)、DOWAHD(5714)、マルハニチロHD(1334)、ローム(6963)

◇決算・1−3月期:旭硝子(5201)、ライオン(4912)

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