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» 2009年05月11日 08時30分 UPDATE

「1人雇うためのコスト」ってどのくらい?

[金児昭,ソフトバンククリエイティブ]

問題

 C君の職場は残業続き。人を増やしてほしいと思うのですが、会社は採用に慎重で増員の気配がありません。上司に不満をもらしたら、「人1人雇うのに、どれだけかかると思っている?」と言われました。さて、従業員1人にはどのくらいのコストがかかっているのでしょうか?

(1)年収分の金額

(2)年収分からその人が稼いだ金額を引いた額

(3)年収の約1.5倍から2倍

(4)年収の約10倍の額

答え

 1人当たりのコストは福利厚生施策などによって異なりますが、だいたい年収の1.5倍から2倍になります。給料以外にも保険料や退職金がかかることは前項で説明したとおりですが、他にも通勤定期代や事務所で仕事をしているスペース(地代家賃)、電話代や電気代など、「あなた」にかかるコストは、あなたがもらっている年収よりもはるかに多くなるのです。

 正解は(3)です。

自分は会社のコストだと認識する

 人は会社の最も大切な経営資源です。優秀な社員の人がいて、ノーベル賞を取ったりすると会社の株価は一挙に高くなります。人はまぎれもなく会社のいちばん大事な資産ですが、どれほど値打ちがあっても、人は決して貸借対照表に「資産」として載ることはありません。では、人の費用は決算書のどこに出てくるかと言えば、損益計算書の「人件費」(給料や福利厚生費)として出てきます。つまり、私たちの費用は会社の「コスト」です。

 会社に勤めていると給料をもらうのは当然の権利で、自動的にもらうものと思いがちです。1週間夏休みをとっても、風邪で会社を休んでも変わらず給料は振り込まれると信じています。しかし、それは決して当然のことではないと、すべてのビジネスパーソンの方々に認識していただきたいと私は思います。毎月毎月、含みの売上が上がるから、私たちは給料を受け取ることができるのです。

 言い方を変えれば、給料を払い続けられるように会社をかじ取りしていくのが経営者(マネジメント)です。これを意識できると、経営感覚がすごくついてきます。

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著者プロフィール:金児昭(かねこ・あきら)

 1936年、東京都生まれ。東京大学農学部農業経済学科卒業後、1961年、信越化学工業に入社。38年間、経理・財務の実務一筋。1992〜1999年、常務取締役(経理・財務、法務、資材担当)。現在、経済・金融・経営評論家。信越化学工業顧問。日本CFO(最高経理・財務責任者)協会最高顧問。30代で会計士試験に3度失敗。落ちっぱなしの公認会計士委員。

 主な著書に『これでわかった!バランス・シート』『「経理・財務」これでわかった!』(以上、PHP研究所)、『お父さんの社交ダンス』(モダン出版)、『私がほしかったダンス用語集』(中経出版)など多数。本書は106冊目。


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