大幅上昇の反動やストレステストの結果発表を控えて大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年05月08日 08時26分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8409.85▼102.43

<NASDAQ>1716.24▼42.86

<為替:NY終値>99.07-99.13

大幅上昇の反動やストレステストの結果発表を控えて大幅下落

 ここのところの急騰の反動やストレステスト(健全性審査)の発表を控えた手仕舞い売りに押されて大幅下落となりました。朝方発表された新規失業保険申請件数は予想を上回った改善となり、堅調な始まりとなったのですが、ダウ平均やナスダック指数も上値の節目水準を意識したこともあり利益確定売りや戻り売りが優勢となりました。下値をむきになって売り叩くような動きはほとんどなかったのですが、戻り鈍さを確認しては売られるといった状況でじり安となりました。午後に入ると売り一巡感から底堅さも見られたのですが、押し目買いや買戻しも限定的で戻りきらず、大幅下落となりました。

 市場のセンチメントは上向きになっているのですが、さすがに目先的な過熱感は否めず、利益確定売りに押される格好となりました。経済指標の好転も引き続き見られることから、景気底入れ感は強まっており、ストレステストの結果発表を受けて金融株が落ち着けば後は自動車会社の問題さえ解決できれば何とかなる、と言う雰囲気になっているようです。人員削減やコスト削減の話題も多いのですが商品市況なども底堅くなっており、信用収縮懸念も薄れていることから基調は強含みと見ておいていいものと思います。

 個別にはストレステストの発表を控えてJPモルガンチェース、シティグループ、バンクオブアメリカなど金融株が軒並み大幅下落となりましたが、発表後の時間外取引では揃って堅調、大幅高となっています。4月の既存店売上高が予想を上回ったことからウォルマートが堅調、第一四半期決算が大幅赤字となったことを嫌気してGM(ゼネラルモーターズ)は軟調となりました。利食い売りが優勢となるなか、IBM、グーグル、インテルなどハイテク銘柄は軒並み軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の相場は連休中の米国市場が大幅高となったことなどから、買い先行で始まり大幅高となりました。外国人も買い越しと伝えられたことなどもあり、主力銘柄が軒並み買い気配から始まるといった展開でその後も押し目らしい押し目もなく高値引けとなりました。1月高値水準を抜けて底入れ感がかなり強まり、買い気も旺盛といった感じで底堅さも見られます。ただ、オプションSQ(特別清算指数)算出や米ストレステスト(健全性審査)の発表も控えており、まだまだ波乱含みなのかもしれません。

 米国市場が大幅下落となったことや昨日の大幅上昇の反動もあって売りが優勢となりそうです。ただ、注目された欧州の利下げ幅も小さく為替が対米ドルでもユーロでも円安に振れていることで底堅さも見られるものと思います。連休を挟んでの急騰ということや週末ということで上値は重いのでしょうが、オプションSQ(特別清算指数)算出後の日経平均先物の動きは注目され、まとまった買いが入るようであれば指数自体も堅調となるのでしょうし、逆にまとまった売りが出て来るようであれば大きな下落となる可能性もあります。輸出関連銘柄などは景気底入れ期待と円安を好感する動きと利益確定売りとのせめぎ合いとなって来るのでしょうし、金融株などは利益確定売りが優勢となり上値が重くなりそうです。

 日経平均は節目と見られる9300円を超えて来たことで次の目処となる9500円を目指すことになりそうです。ただ、今日のところは急騰後の反動や週末の手仕舞い売りなどに上値を押さえられることになりそうで、押し目を確認する動きとなりそうです。9100円台後半あたりまで下値を探る動きになるのか、あるいは9300円を割り込んだところで押し目買いや買戻しが見られ、底堅い展開となるのかといったところではないかと思います。中期的に見ても日柄整理が進んだことで過熱感が強いわけでもなく、調整となってもこれまで上値を押さえていた水準である9000円前後、8800円から9000円の水準では下げ止まるものと思います。

本日の注目点

◇日銀政策委・金融政策決定会合議事要旨(4月6−7日分)

◇4月の米雇用統計

◇3月の米卸売売上高

◇株主総会:米ゴールドマン・サックス

◇決算・3月期:トヨタ自動車(7203)、三井造船(7004)、東芝(6502)、TDK(6762)、富士重工業(7270)、三菱商事(8058)、IHI(7013)、セイコーHD(8050)、オリックス(8591)、日本通運(9062)

◇決算・1−3月期:ブリヂストン(5108)

◇決算・1−3月期:独コメルツ銀行

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