連休の谷間や前日の大幅高にも関わらず、買戻しを急ぐ動きや先物への仕掛け的な買いもあって大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年05月01日 16時02分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 決算発表に合わせてというわけでもないのでしょうが、連休の谷間に持高調整の売り買いが多く、指数も右往左往する格好となりました。為替が円安に振れたことや決算予想の上方修正などもあり、輸出関連銘柄に買われるものが散見され、中国での景況感が好転しているということで中国関連銘柄として鉄鋼株や海運株が買われたようですが、先物へのまとまった買いなどを見ていると、結局は手仕舞いの買戻しが主体と言うことでしょう。

 いろいろな市況コメントなどを見ていると一言で表す必要があるからか、昨日の米国市場でもダウ平均が軟調であったことを「クライスラーの破綻で売られた」などと述べているコメントもありました。ただ、ダウ平均は堅調に始まっていたことでもわかるように、クライスラー破綻のニュースは織り込まれていたと思われます。もし、クライスラーの破綻の影響で軟調となるのであればGM(ゼネラルモーターズ)も軟調でしょうし、朝から軟調でなければおかしな話となってしまいます。

 こうしたことのように、最後の数字だけを見て判断すると案外違った解釈をしてしまうことが多いのです。新聞の報道などでも見出しだけで判断すると反対の意味にとってしまったりもしてしまうのです。要は「市場で何が起こったのか」を知ること、「決算発表」というけれどもその発表する「会社で何が起こっているのか」を知ることが必要なのです。ですから、表面上の数字ばかりを見るよりは株価の動きや企業のお金やものの流れをしっかりと見ることが必要ということになるのです。

 表面上ばかりをどのように解釈しても相場の先行きは見えてこないわけで、「何がどうなって」この株価になっているのか、売り手は誰か、買い手は誰かと考えていると少しは相場の流れや節目となる水準などもわかって来るのではないでしょうか。漫然と眺めるのではなく、しっかりと相場や決算を「見て」、「分析する」ことが必要なのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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